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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その六十五

「そうすればね」
「相手の人は自殺するんだな」
「そうなるわ、お祖母ちゃんはその現場を見たことがないし」
「自分でもだな」
「したことはないわ」
 そうだというのだ。
「流石にね」
「まあそれはな」
「政治家は非道なこともすると言われてるわね」
「その認識あるよな」
「時として思い切ったこともしなくてはいけないわ」
 それはという言葉だった。
「時としてね」
「国益ってやつの為にだよな」
「けれどね」
「やっていいことと悪いことがあるか」
「だからよ」
「そうしたことはしたことがないか」
「これは神に誓って言うわ」
 カバリエは信仰心が強い、カトリックやイシュタルを信仰している。そしてこのことからも言うのである。
「私自身ね」
「何があってもか」
「そう、それはね」
 絶対にというのだ。
「本当にね」
「人は殺さないか」
「そう、そしてね」
「傷付けることもか」
「そんなことをしたら恨まれるでしょ」 
 さっき言った通りにというのだ。
「そうなるでしょ」
「それはな」
「だからよ」
 それが為にというのだ。
「そうしたことは政治家ならむしろね」
「言わないことか」
「恨まれたらそこから敵が出来るわ」
 政敵、それがというのだ。
「そうもなるし」
「それでか」
「ええ、あと人を殺したら」
 それが自分の手を下さず自殺させたものにしてもというのである、確かにこの場合法的責任は問われにくい。
「人は見るわね」
「人は見てるからな」
 マルグリットもこう返した。
「実際に」
「だからよ」
「そこからどう思われるか、か」
「それを考えたらね」
 どうしてもというのだ。
「本当にね」
「言葉にはか」
「気をつけておくことよ、いいわね」
「だよな、あたしもな」
「ええ、頼んだわよ」
「そうするな」
「あんた口は悪いけれど」
 そのはすっぱな口調から指摘した。
「根はいい娘だから」
「それでか」
「人を傷付けることは言わないわね」
「それはな」
「もっと言えば頭もいいわ」
 根がいいことに加えてというのだ。
「だからね」
「それでなんだな」
「そんなことは言われたらしないわね」
「というか言われる前にしないと駄目だろ」
「ええ、十代の時に言われて」
 軽蔑だのそうした言葉をというのだ。 
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