ドリトル先生の落語
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第九幕その四
舞台の全てを観終わってからです、帰路につきましたが日笠さんはその中で先生に対してこんなことを言いました。
「イギリス生まれの方でしたが」
「いい落語でしたね」
「日本語が流暢で」
まずこのことがあってというのです。
「お話も仕草もです」
「よかったですね」
「よく勉強されていて」
そしてというのです。
「それで、です」
「面白かったですね」
「はい」
実にというのです。
「よかったです」
「物凄く勉強されていますね」
先生も言います。
「落語それに日本のことを」
「勉強していて」
「その勉強の成果がです」
「出ていますね」
「何でもグラビアでもです」
「人気があるんですか」
「ですが」
それでもというのです。
「落語はです」
「忘れていなくて」
「何でも毎日何時間も稽古をされているそうで」
「だからですか」
「あの面白さです」
そうだというのです。
「あの人は」
「勉強しているんですね」
「笑わせる為に」
まさにその為にというのです。
「そうなのです」
「そういうことですか」
「はい、そして」
日笠さんにさらにお話します。
「お客さんを下に見ていない」
「そのこともありますね」
「テレビに出たいだけの人達はテレビがステータスで」
「テレビに出られるイコール偉いですね」
「それでお客さんもです」
ここで言うのは視聴者の人達です。
「下に見ていて」
「それが態度にも出て」
「お笑いにもです」
「出ていてですね」
「面白さがないですが」
「あの人はですね」
「他の八条芸能のお笑いの人達と同じく」
それでというのです。
「面白いです」
「そういうことですね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「落語も年季が必要な一面もあるので」
先生は日笠さんにお話しました。
「春琴さんは今も面白いですが」
「これからですか」
「どんどん面白くなりますよ」
「そうなんですね」
「間の取り方も上手ですが」
お話のそれもというのです。
「経験を積まれますと」
「今以上にですね」
「そちらも上手になって」
そしてというのです。
「それで、です」
「尚更ですね」
「よくなります」
「そうですか」
「ですから」
それでというのです。
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