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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その五十三

「勝負を長いと感じたら」
「その時点で敗れると言われていますね」
「ペナントにしてもシリーズにしても」
「長いと思えば」
「そう思った方がですね」
「敗れるものよ、どれだけかかるかと思うより」
 それよりもというのだ。
「幾らでもかかっていい」
「そう思ってですね」
「腰を据える」
「そうしてやっていきますね」
「ロシアを見ることよ」
 連合六大国の一国であり今回敵の一国であるこの国をというのだ。
「あの国の気の長さはかなりのものね」
「連合随一ですね」
「あれは国民性でもありますね」
「国家としても気が長くて」
「外交もそれが出ていますね」
「流石にマウリアには負けるけれど」
 この国は普通に百年二百年と歳月をかけて考えて行って来る、これにはさしものロシアも空いた口が塞がらなくなることがある。
「それでもね」
「ロシアの様にですね」
「気を長く持ってですね」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「やっていくことよ」
 この度のことはというのだ。
「いいわね」
「はい、気を長く持って」
「各国とあたるのですね」
「何時終わるとは思わない」
「そうしてですね」
「焦れそうなら」
 その時はというのだ。
「一度休むことよ」
「そうすればいいですか」
「まだなのかと思わず」
「そうすることですね」
「お酒でも飲んで」
 そしてというのだ。
「美味しいものを食べてね」
「リラックスして、ですね」
「また待つことですね」
「それがいいですね」
「焦れて一気に終わらせようとすれば」
 その場合はというと。
「焦ることと同じよ」
「左様ですね」
「いらいらとなればですね」
「焦る場合と同じで」
「そこからしくじりますね」
「そうした時ロシア人はどうするか」
 その彼等はというのだ。
「暖かい部屋でお酒を飲むわね」
「そうした時こそですね」
「そしてサウナに入って寝ますね」
「それがロシア人ですね」
「そしてまたことにあたりますね」
「あの国民性はいいものよ」
 尚ロシア人の国民性は素朴で無欲で親切であることもいいとされていてこの時代のロシアではそれがこの国最大の財産とも言われている。
「本当に長くなると思えば」
「気分転換ですね」
「それを行ってですね」
「一度ゆっくり休み」
「またことにあたるべきですね」
「それでいいのよ、本当に焦れたら」
 その時点でというのだ。
「負けるから」
「だからこそですね」
「長くなることは覚悟し」
「今回もやっていきますね」
「そうよ、ではね」
 カバリエはさらに言った。 
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