星河の覇皇
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第八十五部第一章 国防省への忠告その五十四
「貴方達にもお願いするわ」
「最後の最後まで、ですね」
「ことを進めていく」
「そうしていきますね」
「ええ、だから今は」
カバリエは笑ってこうも言った。
「お仕事をして」
「そしてですね」
「仕事が終われば」
「その時はですね」
「そう、それぞれお家に帰って」
そしてというのだ。
「休むことよ」
「英気を養うことも仕事のうちですね」
「プライベートに戻ることも」
「そちらもですね」
「そうよ、プライベートに戻ることは忘れないことよ」
このことも大事だというのだ。
「そこのメリハリも大事よ」
「左様ですね」
「まことに仕事ばかりですと疲れます」
「そして勝てなくもなります」
「そうなるからですね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「皆もお願いするわ、私は今夜は自宅で夕食を食べるわ」
「そうされますか」
「そして楽しまれますか」
「プライベートの時を」
「そうするわ、夕食はパエリアよ」
こちらを食べるというのだ。
「そのつもりよ」
「パエリアか、いいですね」
「それではですね」
「これからですね」
「楽しみですね」
「左様ですね」
「パエリアは大好きよ」
カバリエは笑顔で述べた。
「色々な種類があるけれど特にシーフードのものがですね」
「お好きですか」
「海老や貝類を入れたものが」
「そのパエリアがお好きですか」
「かなりね、だからね」
それでというのだ。
「そのパエリアを楽しみにね」
「それで、ですね」
「今はですね」
「お仕事に励まれますね」
「そうするわ」
笑顔で言ってだ、そうしてだった。
カバリエは外相としての職務に励んだ、そして夕食は実際に自宅に帰って摂ったがこの時にだった。
料理を作っている自分と同じ髪の毛と肌の色の二十代の女にテーブルに座って言った。
「私が作るわよ」
「はぁ?黙って見てろよ」
見ればカバリエがそのまま痩せて若くした顔立ちだ、メリハリの利いた目鼻であり背は一八二はある。連合の成人女性の平均身長の一八〇より少し高い。胸がかなり目立ちジーンズがかなり似合っている。
その女がエプロン姿でカバリエの方に視線をやって言うのだ。
「あたしが料理作るのをよ」
「久し振りに会ったらそれね」
「うっせえな、久し振りってどれだけだよ」
「一ヶ月前だったかしら」
「一ヶ月だったらちょっとだろ」
こう言うのだった。
「そんなに言うことかよ」
「言うことよ」
「メキシコで会ったばかりじゃねえか」
「私にとっては久し振りなのよ」
カバリエは笑って述べた。
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