八条学園騒動記
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第七百十八話 多くの鳥達その十二
「あの御仁はそう呼ばれている」
「頭の回転と謀略が妖力ですね」
「狐は頭がいいとされているしな」
「それであの首相殿はですか」
「そう呼ばれている、エウロパから見てもな」
即ち自分達からもだ。
「厄介なだ」
「敵ですね」
「女帝陛下第一の側近とも言うな」
「日本の天皇ですね」
「何をどうしても敵わないな」
エウロパから見てというのだ。
「日本の皇室のな」
「首相なので」
「忌々しく思われているな」
「能力だけでなく」
「日本の皇室は皇帝でだ」
天皇を他の国の言葉で役するとそうなる、事実新ラテン語エウロパの公用語ではインペラトールや
アウグストゥスというローマ皇帝を表す言葉で表現されている。
「何千年もの歴史があり」
「財産もですね」
「相当なものだ」
「長年の歴史で培ってきた」
「献上品も多いしな」
連合中の芸術家や資産家からのそれがだ。
「ウィンザー家ヤハプスブルク家よりもだ」
「財産は多いですね」
「金なぞで換算出来ない様な」
「歴史的な財産がですね」
「実に多い、日本の国力はエウロパの十倍以上はあるしな」
そこまでの国力が備わっているというのだ。
「その豊かな国の君主なのだ」
「エウロパではとてもですね」
「敵わない、その皇室のだ」
「第一の臣ですね」
「エウロパから見れば第一の臣でな」
そうなってというのだ。
「側近ともだ」
「言えますね」
「太陽に照らされた狐だ」
「日本の象徴は太陽でしたね」
「国旗もそうだしな」
日章旗のことである。
「日本はな」
「太陽の国ですね」
「皇室の祖は太陽神だ」
このことも言うのだった。
「そうされているな」
「流石にないと思いますが」
「神の子孫などとだな」
「はい、幾ら何でも」
「だがな」
「日本の神話ではですね」
「そうなっている、この国は神話からだ」
他の国では宗教上の話でしかない、ここから信仰がはじまるのだ。
「歴史になる」
「続いているのですね」
「こんな国は他にはないがな」
「まさに日本だけですね」
「神武天皇だったな」
大尉はこの方のお名前を出した、ここでそうした。
「あの人物がだ」
「天照大神の子孫なのですね」
「そうなっていてな」
「確か日本の初代の天皇ですね」
「それでだ」
「日本は太陽を貴んでいて」
「太陽の国とされているのだ」
こう話した。
「そうなのだ」
「だからあの首相殿もですね」
「そう呼ばれている」
「太陽に照らされた狐ですね」
「九尾のな、前の首相は狸だったがな」
この生きものの名前も出した、尚狸がいる星それに地域は連合では非常に多いがエウロパでは少ない。
「今の首相殿はな」
「狐ですね」
「頭がいいな」
「それもかなりなので」
「九尾だ、だが」
ここで彼はこうも言った。
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