星河の覇皇
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第八十五部第一章 国防省への忠告その二十八
「こちらも動くが」
「今はですね」
「動く時ではない、迂闊に動けば」
「逆にですね」
「そこを付け込まれる」
そうなるというのだ。
「だからな」
「今は情報収集に徹し」
「表立っては動かず」
そしてというのだ。
「ある程度はな」
「あちらの要求をですね」
「交渉を経てだ」
「そのうえで飲む」
「鵜呑みにはしない、だがな」
「積極的に動きはしない」
「今はな」
あくまでというのだ。
「こちらは動かない」
「情報収集に徹して」
「それからだ」
「動くのですね」
「そうしよう、そして外務省はな」
「連合全土においてですね」
「情報収集にあたってくれ」
これにというのだ。
「各国政府に対してな」
「わかりました」
「今彼等は北京星系に集まっているが」
「あちらだけでなくですね」
「連合全体でだ」
「情報収集にあたり」
「ことにあたってくれ、そしてイスラエルにもな」
この国にもというのだ、人口は少ないが連合において隠然たる力を持っているこの国に対してもというのだ。
「頼みたい」
「あの国にもですね」
「特にな」
「長老会議ですね」
「彼等がイスラエル最大の権力者だ」
大統領の顧問機関、その立場としてというのだ。
「従って持っている情報もだ」
「イスラエルで最も多いですね」
「連合で特に情報収集に長けたあの国の中でもな」
「だからですね」
「宜しく頼む、だが」
「はい、あの方々は」
「その行動が常にだ」
まさにというのだ。
「謎に包まれていてな」
「情報収集もですね」
「容易ではない」
「左様ですね」
「だからだ」
その為にというのだ。
「我々にしてもな」
「その情報収集はですね」
「非常に困難だ」
「実際にこれまでです」
カバリエはキロモトに身振りを入れて沈痛な顔で話した。
「中央政府、そして他国の外交官や諜報員が情報を集め」
「その情報はな」
「苦労して手に入れたものが」
それがだったのだ。
「偽情報であった」
「そうしたことが多かったな」
「抹殺にかかることはなくとも」
「それ以上に厄介なことをしてくる」
「相手の動きを見て」
中央政府や他国の外交官や諜報員のそれをだ。
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