星河の覇皇
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第八十五部第一章 国防省への忠告その二十六
「それだけのことだったので」
「勝利は収めたがな」
「これではです」
「やはり不都合だな」
「実際に危うい場面は多かったです」
二次大戦においてというのだ。
「これは他の国々の間でも同じでしたが」
「イギリスと他の四国の間ではな」
「特にでした」
「敵同士と言っていいまでに」
まさに暇さえあればイギリスの足を引っ張る、そうした状況だったのである。
「これを我々がしますと」
「まずいか」
「そう思いますので」
「君は交流を深めていくか」
「そう考えています、確かに言語は同じですが」
銀河語という連合共通の公用語、定められたそれがあろうともというのだ。
「それだけではです」
「いざという時連携は出来ない」
「ですから」
それが為にというのだ。
「私としてはです」
「そこはだな」
「何としてもです」
まさにというのだ。
「今から、平時にこそです」
「交流を深めてだな」
「絆を築いていきたいです」
「将兵の間でか」
「そう考えています、同じ国家に所属していても犬猿の仲という事例があるので」
大日本帝国の陸軍と海軍の様にというのだ。
「普段からです」
「学校も含めてだな」
「よく顔を見合わせる様にしたいです」
「いいことだ、だが」
「だがとは」
「君のその考えは何処から出たのか」
「士官学校や軍大学を中央政府、各国軍で同じにした」
中央政府軍創設の時から定められているこれはというのだ。
「それはですね」
「何か参考はあるのか」
「はい、日本です」
「君の祖国か」
「陸軍と海軍のことは反面教師ですが」
それと違ってというのだ。
「その後の自衛隊はです」
「手本にしたか」
「自衛隊の教育は独特で」
「どういったものだったのか」
「防衛大学が言うなら自衛隊の士官学校ですが」
この学校がどうかというと。
「陸空海三つの自衛隊に入る前に四年間そこで学びました」
「その防衛大学でか」
「はい、陸空海に分かれずに」
「当時の軍隊は大きく陸空海に分かれていたが」
「それでもです」
日本の自衛隊ではというのだ。
「その様にです」
「別れていなかったからか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「四年間三つの組織に関わらずです」
「同じ学校で教育を受けてか」
「三つの自衛隊の絆にもなっていたので」
「同期としてだな」
「組織を超えて。そしてその後も」
防衛大学を卒業してそれぞれの自衛隊の入隊してもというのだ。
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