星河の覇皇
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第八十五部第一章 国防省への忠告その十五
「思えば卑しい行動でした」
「全く以てな」
「まさに人を貶めたいならです」
「その下半身を狙え」
「その通りですが」
しかしと言うのだった。
「やはりそれを行う人達はです」
「非常に卑しいな」
「はい」
まさにと言うのだった。
「まことに」
「その通りだな」
「はい、そしてです」
「君も実感したな」
「そのことから。そして」
「それでだな」
「こうした謀略は連合では常ですね」
八条は神妙な顔で述べた。
「まさに」
「その通りだな」
「はい、若しかると今回も」
「そうした謀略が行われることもな」
「有り得ますね」
「連合はそうした国だからな」
まさにというのだ。
「だからな」
「普通にですね」
「そうした謀略も有り得る、しかも君に仕掛けた野党の議員は五流以下だが」
「より謀略に長けた人もいる」
「特に君もよく知っている人物だ」
その人物が誰かもだ、キロモトは話した。
「伊東総理だ」
「やはりあの方ですか」
「味方ならこの上なく頼もしいが」
しかしと言うのだった。
「敵としてはな」
「この上ない強敵ですね」
「それも只の強敵ではない」
「厄介ですね」
八条も述べた。
「あの方は」
「そうだ、九尾の狐と言われているのは伊達ではない」
「九尾の狐といいますと」
「妖力も極めて高くな」
「知力も高かったですね」
「奸智にも長けているとされていた」
キロモトはあえて言った。
「あの狐はな」
「奸智、謀略ですね」
「狐は頭のいい生きものとされていて変化にもなる」
化ける、妖怪と同列に語られるその存在にもなるとされている。この時代でも狐や狸はそうなるとされている。
「そしてその狐の中でもな」
「九尾の狐はですね」
「とりわけ強力だ」
「左様ですね」
「その九尾の狐がだ」
「総理ですか」
「表の政治力もかなりだが」
俗に言われている様にだ。
「それだけでなくだ」
「謀略もですね」
「私なぞ足元にも及ばない」
謀略ではとだ、八条は言い切った。
「最早な」
「そこまでの方ですね」
「だからだ、彼女の謀略にはだ」
くれぐれもというのだ。
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