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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その十四

「何かと」
「身に覚えがないならな」
「そうなってですね」
「当然だ」
 はっきりと言い切った。
「私でもだ」
「そうなるとですね」
「何かと思う」
 キロモトもというのだ。
「まさにな」
「大統領もですね」
「おそらく誰でもだ」
「そうした攻撃をする相手もいますね」
「世の中にはな」
「これは私も知識としては知っていましたが」
 それでもというのだ。
「経験としては」
「知らなかったか」
「はじめてです」
 その時にというのだ。
「経験として知りました」
「読んだりして手に入れる知識と経験で手に入れる知識は違う」
「その通りですね」
「それで君もだな」
「その時に知りました」
「捏造をして相手を貶める攻撃をする者がこの世には存在する」
「はい、思えばです」 
 八条はこうも言った。
「従軍慰安婦もでしたね」
「貴国のことだな」
「まさに。あれは言うなら軍人相手の風俗嬢です」
 八条はこの時代の連合の言葉そして考えから従軍慰安婦について述べた。
「軍が公に雇った」
「そうしたな」
「風俗嬢を採用して」
「軍人の一般市民への乱暴や性病の蔓延を防ぐ為のな」
「そうしたものでした」
 従軍慰安婦は確かに存在していた、このことは事実である。だがそれでもその内容について話すのだった。
「しかしです」
「それでもな」
「強制的に一般市民を徴用したということは」
「なかった、いや」
「ある筈がないことでした」
「今も風俗嬢は存在しているしだ」
 キロモトは落ち着いた声で述べた。
「そしてだ」
「当時もです」
「そうだったな」
「ましてや当時の日本では公娼制度が存在し」
 そうしてだったのだ。
「それこそ遊郭もありました」
「それでは強制的な徴用だのな」
「せずともです」
「普通に遊郭に話をすればな」
「来てもらいました」
「それで一般市民を拉致してまで徴用するなぞな」
「する必要がないです」
 八条ははっきりと言い切った。
「全く」
「その通りだな」
「はい、ですから」
 だからだというのだ。
「従軍慰安婦の件はです」
「捏造が多かったな」
「我が国のそうした勢力がです」
 所謂左翼勢力だ、その勢力が自分達の勢力が弱まっていくことに危機感を覚えてそうして起こしたことだとこの時代でははっきりしている。
「存在していて」
「それで引き起こしたな」
「問題があると言い」
「そしてな」
「そこから相手勢力を攻撃しました」
「日本の保守勢力だな」
「そうしましたが」
 これはというのだ。 
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