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神々の塔

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第三十五話 道教の神々その十三

「このまま進むことだ」
「そう言ってくれるなら」
「そうします」
 二人もそれならと答えた。
「絶対に」
「そして世界を救います」
「その言葉通りに頼む、ではな」
 それではというのだった。
「この世界を任せる」
「そうさせてもらいます」
 綾乃がここでまた応えた。
「ほんまに」
「ではな、それでだが」
 都市王は綾乃に言葉を返して言った。
「お主達は一旦戻るな」
「はい、下の階に」
「そして我等に勝ったこと祝って飲んで食べて」
「お風呂にも入ります」
「それはいいことだ、しかしだ」
「しかしっていいますと」
「そなた達覗きはいかんぞ」 
 このことは笑って言うのだった。
「お互いの風呂を覗くなぞな」
「いや、それはです」
「流石にせんです」
「覗きなんて」
「そんなことは」
 メルヴィル、トウェイン、羅、施の四人がそれはと否定した、そうしてそのうえでこんなことを言うのだった。
「人として間違ってます」
「そんなことして何がええか」
「覗きって変態ですし」
「絶対にしません」
「それならよい、覗いてもいいことはない」
 ここで出て来たのは閻魔王だった、当然この神霊とも戦って勝っている。
「あの様なことをしてもな」
「あの、覗いてです」
 アレンカールもそれはないという顔で述べた。
「変なもん見るのがヲチかと」
「ははは、そこにいるのは美男美女だけではないな」
「そうですね」
「風呂場だけでなく厠を覗く者もおるがな」
「それは尚更です」
「ないか」
「ないです」
 アレンカールはおねえ口調で断言した。
「ほんまに」
「それが正しい、覗いていいものは見られず何よりもだ」
「罪になりますね」
「罪の中でも下らないものだ」
 覗きのそれはというのだ。
「だからだ」
「最初からせんことですね」
「左様」
 まさにというのだった。
「そこはわかっておく様にな」
「はい、ほなお風呂に入っても」
「しかと身体を清めるのだ」
「そうしますね」
「そして先に進むのだ」
 怖い顔を綻ばせての言葉だった、そうした言葉も受けてだった。
 一行は宿屋に戻って勝利の宴を楽しみ身体も清めてだった。
 また塔を進んだ、天高くまで届く塔をさらに進むのだった。


第三十五話   完


                  2023・7・23 
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