神々の塔

　　　　　　　　　　　　　　　第三十六話　　円卓の騎士達
　一行が次の相手を務める神霊は円卓の騎士だった、シェリルはこのことを確かめてからこんなことを言った。
「騎士って言われてもな」
「わし等の中でもおるけどな」
　メルヴィルはそのシェリルに顔を向けて答えた。
「仲間に」
「アマード君とかな」
「ああ、そやけどこの十人の中にはな」
「おらんで」
　シェリルはメルヴィルに答えた。
「見ての通りな」
「そやな」
「騎士って言われてもな」
　トウェインも首を傾げさせて言った。
「どうもな」
「ピンとこんな」
「ああ」
　まさにという返事だった。
「どうもな」
「そやな、私もな」
「それは同じやな」
「どうもな」
「恰好ええもんやてな」
　羅はこう言った。
「イメージあるけどな」
「騎士はな」
「そうやけどな」
「私等の中にはな」
「少ないな」
「アマード君はジェネラルでや」
　シェリルは彼の職業のことも話した。
「頼りになるけどな」
「騎士道はな」
「あまりな」
　これといってというのだ。
「ない感じやな」
「そやな」
　トウェインもそれはと応えた。
「アマードはいつも真面目な努力家てな」
「思うな」
「そやけどな」
　それでもというのだ。
「騎士道はな」
「ないな」
「地道にコツコツやって」
「良心的で優しくて」
「そんな風でな」
　そうした者でというのだ。
「騎士道精神よりはな」
「真面目さと優しさと」
「努力や」
「そちらの感じやな」
「あんないい子いないわよ」
　アレンカールはこの世界で長い間共にいる彼のことをこう言った。
「あたいが旗揚げしてよ」
「すぐにやったな」
「出会ってね」
　そうしてというのだ。
「それでずっと一緒にやってきてね」
「今も一緒にいることが多いな」
「ええ、もうね」
　それこそとだ、アレンカールはトウェインに話した。
「この世界にブラジルに来て」
「それでやな」
「すぐに知り合ってね」
「一緒にやっていってきたか」
「ええ、あの子自信はないけれど」
　そうした性格だがというのだ。
「素質はあるし性格もね」
「ええ奴や」
　中里も言ってきた。
「ほんまな」
「そうでしょ」
「ああ、優しくて穏やかでな」
「努力家でね」
「ネガティブでもな」
「そう、そこが問題でもね」
　それでもというのだ。