八条学園騒動記
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第七百十六話 蜥蜴と亀その二
「公園も多く草花もだ」
「多いのですね」
「そうなっている」
まさにというのだ。
「連合全体でな」
「そうですか」
「だからだ」
それでというのだ。
「連合の者達は何処にもだ」
「人がいて」
「暮らしている」
「そうしているのだ」
「そうなのですね」
「そうした国だ」
まさにというのだ。
「そしてこのことをな」
「理解することですね」
「もっと言えばこのこともな」
「そうなりますか」
「だからといって科学も否定していない」
「科学もまた世界の中にある」
「矢鱈と陰謀論を吹聴し非科学的な輩もいる」
連合にはというのだ。
「しかしな」
「おおむねですね」
「そうした考えだ」
「全ては対立せず世界の中にある」
「その様にだ」
「考えているのですね」
「その考えを知って理解することも重要だ」
強い声でだ、大尉は言い切った。
「この国を知るにはな」
「全てが世界の中にある」
「もっと言えば天使と悪魔もな」
「二つの世界ではなく」
「一つの世界の中にな」
まさにその中にというのだ。
「存在していてな」
「対立していても」
「二つの世界ではない」
「そうした国ですか」
「そしてだ」
大尉は上等兵に話した。
「悪魔も宗教として存在しているな」
「異神教ですね」
「悪魔を悪ではなくな」
「善ですか」
「悪魔は果たして本当に悪か」
キリスト教で教えられている様にというのだ。
「そう考えそこからだ」
「生まれた宗教ですか」
「そうだ、そしてよく見るとな」
キリスト教の悪魔とは、というのだ。
「神に反するからだ」
「悪ですか」
「我々もそう考えているが」
「連合では一つの宗教になっていますか」
「そうなのだ、神を絶対の正義としてだ」
まさに無条件でだ。
「定義してな」
「その神に反するならですね」
「悪となるのだ」
「それで悪魔が悪なら」
「どうなのかと考えてな」
そしてというのだ。
「そこからはじまった宗教だ」
「キリスト教の裏返しですか」
「そうなる、そもそも悪魔は元神が多いな」
「メソポタミア等のですね」
「そのことからも考えてな」
「そういえば」
ここで上等兵はあることに気付いた、そしてその気付いたことを話した。
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