八条学園騒動記
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第七百十六話 蜥蜴と亀その三
「連合はメソポタミアやエジプト、中南米の神々も信仰していますね」
「ケルトもな」
「そうですね」
「スラブの神々もだ」
「信仰していますね」
「エウロパのギリシアや北欧の神々と同じだ」
彼等への信仰と、というのだ。
「まさにな」
「連合でも古代の神々が信仰されている」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そのことからもな」
「考えられて」
「そしてだ」
「誕生した宗教ですか」
「悪魔、サタンと頂点とする彼等も一つの正義とな」
「定義している宗教ですね」
「そして別にキリスト教の神や天使を否定していない」
彼等をそう考えてはいないというのだ。
「一つの正義とだ」
「考えていますか」
「連合はエウロパ以外を絶対悪とはみなさない」
そうした考えだというのだ。
「敵である国以外はな」
「自分達から見て絶対の」
「そして貴族や貴族的なものも絶対悪だがな」
エウロパの中にあるそうしたものはというのだ。
「それ以外はだ」
「絶対悪ではないですか」
「尚連合各国でかつて存在した貴族達もだ」
それぞれの歴史の中でというのだ。
「特にだ」
「悪とはですか」
「思われていないしだ」
それにというのだ。
「教えられてもだ」
「いませんか」
「そうだ」
「あくまでエウロパ貴族だけですか」
「そしてエウロパがな」
「絶対悪なのですね」
「そうなのだ」
こう上等兵に話した。
「連合という国はな」
「兎角エウロパが悪ですね」
「絶対のな」
「その定義は変わらないのですね」
「変わるとだ」
若しそうなればとだ、大尉は上等兵に話した。
「連合は連合として成り立たない」
「そこまでのものですか」
「市民の国だからな」
「四兆の者全てがですね」
「階級がなくな」
そしてというのだ。
「それが絶対だからだ」
「今貴族制度が存在していることは」
「絶対にだ」
何としてもというのだ。
「認められないのだ」
「そうなのですね」
「敵国でありな」
「かつ自分達の存在理由を否定するものなので」
「だからだ」
それでというのだ。
「連合はな」
「エウロパは否定するのですね」
「絶対悪としてな」
そう定義してというのだ。
「そうしている」
「そうなのですね」
「しかしそれ以外のことはな」
「エウロパ以外のことは」
「全てだ」
まさにというのだ。
「絶対悪とはな」
「考えないのですね」
「百人いれば百人の考えがありな」
そうしてというのだ。
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