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八条学園騒動記

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第七百十六話 蜥蜴と亀その一

                蜥蜴と亀
 鰐達の種類も多かった、クロコダイルだけでなくアリゲーターやカイマンもいた。それで上等兵は言った。
「然程です」
「鰐は縁がないな」
「はい、我々の星はです」
 エウロパのどの星もとだ、上等兵は言葉の行間に入れて話した。
「温帯が多く」
「それでな」
「鰐はあまり」
「縁がないな」
「熱帯があっても」
「住むことは少ないな」
「そうですね」
「温帯かな」
 若しくはというのだ。
「冷帯、寒帯がな」
「多いですね」
「だからな」
 その為にというのだ。
「熱帯に棲息することの多い大蛇や鰐はな」
「あまり縁がないですね」
「先程の蛙達もな」
「熱帯の」
「そうだ、温帯にだ」
 それにというのだ。
「冷帯、寒帯がな」
「居住する地域に多いですね」
「即ち産業もな」
「そうした場所に集中していますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それでだ」
「その為にですね」
「我々はな」
 まさにというのだ。
「熱帯そしてな」
「そこにいる生きもの達とはですね」
「あまり縁がなくな」
 それでというのだ。
「知らない」
「そうですね」
「しかし連合はな」
「熱帯にもですね」
「多くの者が暮らしていてだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「生きものもですね」
「知られている」
「そうなのですね」
「自然との共存はな」
 これはというと。
「都会化していてもだ」
「連合では普通ですね」
「自然と文明は対立するものでなくな」
「共にあるものですね」
「そして人間もな」
 他ならぬというのだ。
「その中にだ」
「ありますか」
「世界の中にな」
「世界ですか」
「自然も文明もな」
 その全てがというのだ。
「世界だ」
「その中にあるものですか」
「その考えがだ」
「連合のものですね」
「自然に帰れという言葉があった」
 十八世紀のフランスの思想家ルソーの言葉である、啓蒙思想の代表的人物であるが文明を否定する一面もあったと言われている。
「しかし連合はな」
「その自然も文明もですね」
「そのどちらもな」 
 それこそというのだ。
「世界の中にあるものとしてだ」
「対立させていないですか」
「だから街のあちこちに木があり」
 そしてというのだ。 
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