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八条学園騒動記

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第七百十五話 ジャイアントアナコンダその六

「恐ろしい」
「そうなりますね」
「そうだ、日本ではそうなっている」
「悪魔や妖怪よりもですね」
「人間がな」
「最も恐ろしいですね」
「人間が怨念を持ってだ」
 そうしてというのだ。
「怨霊となりな」
「世に仇を為しますね」
「今もだ」  
 この時代もというのだ。
「日本はな」
「怨霊を恐れていますね」
「何かと祓っているな」
「皇室が率先して」
「古来よりだ」 
 まさにというのだ。
「日本は怨霊を恐れてな」
「祓ってきましたね」
「そして鎮めてな」
 そうもしてというのだ。
「国としてあり続けている」
「それがこの国ですね」
「妖怪や悪魔を恐れなくても」
 それでというのだ。
「日本はな」
「怨霊を恐れる」
「そうした国なのだ」
「今も尚」
「若しかするとエルロパよりもな」 
 敵国よりもというのだ。
「恐れているのかもな」
「そこまでなのですか」
「少なくとも戦争を怖いものとはだ」
 その様にはというのだ。
「思っていないな」
「今の日本人も」
「地震雷火事にだ」
 大尉は今度は災害を挙げていった。
「台風、津波、洪水、雪崩、大雨、大雪、火山の噴火と地球にあった頃の日本はな」
「災害が多かったのですか」
「戦争より遥かにだ」
 それこそというのだ。
「壊されたもの、犠牲者はな」
「多かったのですか」
「そうかもな、一度の大地震でだ」
 それでというのだ。
「万単位の人がだ」
「死んでいたのですか」
「そして今挙げていった様なだ」
「数多くの災害があったのですね」
「災害大国だったと言っていい」
 地球にあった頃の日本はというのだ。
「そんな国だったからだ」
「日本はですね」
「苦労してきてな」
 災害にというのだ。
「それでだ」
「戦争よりもですか」
「恐れられ災害は怨霊の祟りとだ」
「言われたのですか」
「実際に皇居に落雷があった」
 清涼殿にである、平安時代のことだ。尚この時代の日本の皇居は清涼殿を中心としたこの頃のものを再現している。
「それがだ」
「怨霊の祟りだとですか」
「言われていた」
「そうだったのですね」
「兎角な」
「災害が多く」
「怨霊が恐れられていたのだ」
 こう話すのだった。 
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