八条学園騒動記
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第七百十五話 ジャイアントアナコンダその五
「そうした種類の蛇達は」
「そうだな、アナコンダにしてもだ」
「確かボアでしたね」
「それで大きいしな」
「それでニシキヘビもですか」
「大きい、人間を丸呑みにもだ」
その様にというのだ。
「出来る位にな」
「大きいですね」
「そこまでな」
「そうなのですね」
「そうした蛇達もいるからな」
この動物園にはというのだ。
「だからな」
「彼等も観ますね」
「そうしよう、丁度近いしな」
「鰐達を観る前にですね」
「観ようか」
「それでは」
上等兵は再び頷いた、そしてだった。
二人でそうした蛇達も観ていった、その中でアニメニシキヘビも観たが上等兵は寝ているその蛇を観て言った。
「確かにこの大きさだと人間も」
「飲み込めるな」
「六メートルありますね」
「この巨体で巻き付いてな」
「締め付けて圧死させてですね」
「飲み込む」
「蛇の獲物の捕らえ方ですね」
こう大尉に話した。
「それを行いますね」
「その通りだ」
「それが出来る蛇ですね」
「しかしやはりな」
「大人しいですね」
「その気質はな、空腹時に近寄らないとな」
そうでもない限りはというのだ。
「積極的にはだ」
「襲い掛かってこないですね」
「しかも餌付けをしていればな」
それならというのだ。
「尚更だ」
「襲い掛かって来ないですね」
「しかも恒温動物だからな」
大尉はこのことも話した。
「恐竜もそうだが」
「巨体に比較して食事量は少ないですね」
「そうだ」
このことも言うのだった。
「だからな」
「それ程怖がらなくていいですね」
「知識を得て気を付けることはいいが」
しかしというのだ。
「無闇に怖がることはな」
「禁物ですね」
「あらゆることにな、幽霊もだ」
二人の国はどちらもそうした話が多い。
「確かな知識を得ればな」
「恐れることはないですね」
「幽霊は何か」
大尉は言った。
「要するに魂だな」
「人間の」
「そうだ、人間の魂だ」
「即ち人間ですね」
「魂が人間の本体でな」
それでというのだ。
「身体は器だと考えると」
「幽霊は人間そのものですね」
「人間だとわかればな」
幽霊はというのだ。
「何か怖いか」
「むしろ幽霊が怖いのならですね」
「人間がだ」
他ならぬ自分達がというのだ。
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