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ハッピークローバー

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第九十二話 酷い親戚がいないことその十二

「それで天理教の人達の間でもね」
「天理教の悪口ばかり言ってたから」
「相手にされなくなって」
「やっぱりそっちでもそうなるわよね」
「幾ら面倒見てもね」
 それでもというのだ。
「感謝されないで不平不満ばかりだと」
「誰もが嫌うわね」
「天理教の中でもそうなってね」
「天理教って大抵の人がいられるわよね」
「宗教関係はね」
 この世界はというのだ。
「色々困った人が来る場所だから」
「困った時の神頼みね」
「色々な事情の人が来てね」
「助けを求めてるのよね」
「それで実際救われているけれど」
 このことはどの宗教についても言えることだ、カルト教団でもないと困った時は行くといい場所であるだろう。
「けれどね」
「その人は助けてもらっても」
「感謝なんてしないで」
「文句言ったのね」
「天理教の組織としての仕組みにあれこれ言ってね」
「それ意味ないでしょ」
 一華は冷めた目で言った。
「別に」
「お母さんもそう思うわ」
「そうよね」
「けれどその人はね」
「感謝するどころか」
「そんなどうでもいいことをね」
 天理教の組織としての仕組みをというのだ。
「いつも文句言ったのよ」
「教えをどうかじゃなくて」
「それを実際にしたり信仰とかしないでね」
「それでなのね」
「そうしたことの文句ばかり言って」
「天理教の中でも嫌われて」
「誰からも相手にされなくなったのよ」
 そうなったというのだ。
「それで完全にね」
「皆から見捨てられて」
「行方不明になっていたけれど」
 それがというのだ。
「この前ね」
「生きていたことがわかったのね」
「それで身内の人達凄く嫌がってるそうよ」
「生きているってわかっただけで」
「親戚の人のお葬式に出て」
 その人の話をだ、母は一華にさらにした。
「その後お食事になって」
「お葬式ってそれあるわね」
 一華もこのことを知っていて頷いた。
「そうね」
「そこで家族でもないのに自分から上座に上がったのよ」
「それもないわね」
「そんなとんでもない無作法はこともね」
「したのね」
「それも平気でね、そこで完全にね」
 その時にというのだ。
「親戚全員から見捨てられたそうよ」
「それは当然ね」
 一華は冷めきった目で頷いた。
「そんなの私でもしないわよ」
「高校生でもわかってることね」
「常識でしょ」
「それを五十過ぎでしたのよ」
「五十過ぎでって」
「そこまで幼稚で馬鹿だってことよ」
「人間として、これまでのお話を聞いても」
 一華は冷めきった目のままでさらに言った。 
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