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ハッピークローバー

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第九十二話 酷い親戚がいないことその十三

「生きていてもね」
「碌なことになっていないわね」
「害にしかなってないじゃない」
 これまで生きていてというのだ。
「本当に」
「そうでしょ」
「毒親がドキュン育てた?」
「今風に言えばそうね」
「そんな風よね」
「別にヤクザ屋さんや半グレじゃないけれどね」
 そうした反社会的人物ではないというのだ。
「今風に言うとニートね」
「それになったのね」
「しかも威張っている」
「勘違い男ね」
「そうなのよ」
「いや、ニートも色々いるでしょうけれど」
 それでもとだ、一華は言った。
「最悪の部類ね」
「ニートと言ってもね」
「奥さんに食べさせてもらってる」
「ヒモって言ってもいいわね」
 母はこうも言った。
「この人は」
「そうよね」
「それでヒモでなくなってもね」
「行いも性格も変わらなくて」
「むしろ酷くなったそうよ」
「奥さんに逃げられてから」
「それまではましだったそうなのよ」
 その人間性もというのだ。
「それがね」
「さらに悪くなったの」
「親戚の人達が言うにはね」
「そうなのね」
「すぐに天理教のお世話になったけれど」
「悪口ばかり言って」
「どんどんね」  
 さらにというのだ。
「悪くなっていったみたいよ」
「さらになの」
「元々奥さんが相談に乗って欲しいって言っても」
「聞かなかったの」
「それでお料理は作らないで」
「家事もしなかったの」
「お料理出来なくて」
 そうしたことも出来ずというのだ。
「作ってくれたお料理にいつも文句言ってたのよ」
「感謝しない人だから」
「甘いとか辛いとかね」
 その様にというのだ。
「文句言うだけで」
「美味しいとか作ってくれて有り難うとか」
「言わないで一緒に旅行に誘っても」
 それでもというのだ。
「旅行嫌いでね」
「行かない、だったのね」
「そんなのだから家族でいる意味なくてね」
「奥さん逃げたのね」
「愛想尽かしてね」
「元々そうした人だったのね」
「それでそれからね」 
 離婚してからというのだ。
「さらにね」
「酷くなったの」
「これまでの悪い部分がさらに悪くなっていって」
「どうしようもなくなったのね」
「そうみたいよ」
「離婚しても反省しないで」
「そこからどんどん酷くなって誰からも見離されたのよ」 
 母は娘に苦い顔で話した。 
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