イベリス
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第百十二話 九月が進みその十二
「行う立場ならです」
「お金はですね」
「儲かるどころかです」
「減りますね」
「それがギャンブルです、ですから」
それでというのだ。
「そうした立場にならない限りです」
「遊びでするもので」
「それでお金を使いたいならいいですが」
ギャンブルという遊びでというのだ。
「そうでないならです」
「しないことですね」
「ギャンブルで生計を立てないならです」
速水は冷めた目で話した。
「まことにです」
「胴元ですね」
「そちらになることであって」
それでというのだ。
「遊ぶ、賭ける側ではです」
「儲からないとわかることですね」
「はい、とはいっても小山さんは」
「ギャンブルはしないです」
絶対にとだ、咲も言った。
「私は」
「そうですね」
「そうした趣味はないです」
こうも言った。
「私は」
「それがいいです、小山さんはギャンブルをする人ではありません」
「ああしたことにお金を使っても」
それでもというのだ。
「意味があるとは思わないです」
「そうですね」
「私としては」
「そう思われるならです」
「しないことですね」
「ギャンブルに使うなら」
金をというのだ。
「漫画やゲームにです」
「使いますね」
「その方がすっといいと思います」
「小山さんがそう思われるなら」
速水はまたこう言った。
「是非です」
「ギャンブルはしないことですね」
「そうして下さい、どうも小山さんにはです」
ここでだ、速水は一枚のカードを出した、それは戦車の逆で彼はそのカードを見て先に対してあらためて言った。
「ギャンブル運はなさそうですね」
「そうですか」
「今占わせてもらったところ」
そのカードを今も見て話した。
「そう出ました」
「じゃあ尚更しないです」
「そうお考えですね」
「本当に興味なくて」
ギャンブルはだ、実際咲はそちらへの興味は全くなかった。
「それで、です」
「今もそう言われますね」
「はい、こう言うのは何ですが」
咲は考える顔で話した。
「どうもです」
「ギャンブルをしてもですか」
「本当にお金を無駄に使うだけで」
そうしたことでしかなくというのだ。
「意味があるのか」
「そうお考えでしたら」
速水はそれならと答えた。
「まことにです」
「しないことですね」
「はい、それで他のことにです」
「お金を使うことですね」
「そうして下さい」
是非にというのだった。
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