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イベリス

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第百十二話 九月が進みその十一

「得られるものもです」
「悪いことですね」
「世の中いい遊びで楽しいものは数多くあります」
「悪い遊びよりもずっとですね」
「麻薬に手を出して破滅する人は多いです」
「よく聞きますね」
「はい、高校に入ってから特に」
 それこそ常に聞いている、咲は心の中で思いつつ答えた。
「言われています」
「その通りのことです」
「麻薬は自分が駄目になりますね」
「廃人にもなって長生きもです」
「出来ないですね」
「そうしたものに手を出していいことはありませんので」
「すべきじゃないですね」
「不倫は自分に返ります」
 この遊びはというのだ。
「その時は楽しくともです」
「後で、ですね」
「報いとしてです」
「返ってきますね」
「これをして最後まで幸せだった人は私はどうも」
 速水は深く考える顔になって述べた。
「知りません」
「不倫って悪いことですね」
「そう言うしかないですね」
「その悪いことをしてですね」
「その時いい思いをしても」 
 それでもというのだ。
「悪事にはです」
「報いがありますね」
「ですから」
 その為にというのだ。
「どうしてもです」
「後で、ですか」
「報いを受けてです」
「不幸になるんですね」
「不幸と言っても自業自得ですが」
 こう言っていいものだがというのだ。
「やはり幸せにはです」
「なれないんですね」
「そうです、火遊びと言いますね」
 不倫はというのだ。
「まさに火でして」
「火傷しますね」
「そして火傷は死ぬ場合もあります」
 それが酷ければだ、事実人間はその身体が一定の割合火傷を負ってしまうと死に至ってしまうのだ。
「ですから」
「不倫は悪い遊びであって」
「後で酷いことになります」
「そうなんですね」
「ですから」
 その為にというのだ。
「こちらもです」
「しないことですね」
「はい、あとこれは合法である場合もありますが」
 こう前置きしだ、速水は咲に話した。
「ギャンブルものめり込みますと」
「怖いですね」
「ギャンブルで儲けたいのなら胴元になることで」
 所謂親という立場になることだというのだ。 
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