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イベリス

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第百十二話 九月が進みその十三

「漫画やアニメに」
「そうしたことにですね」
「あと小説やゲームもお好きですね」
「どれも大好きです」
 咲もそれはと答えた。
「まことに」
「そうですね、ではです」
「そういったことにですね」
「お金は使われて下さい、現実として」
 速水は一呼吸置いてからこうも言った。
「お金は命と同じです」
「それだけ大事なことですね」
「少なくとも貨幣経済が確立されているなら」
 そうした社会ならというのだ。
「お金は命であり」
「無駄遣いはいけないですね」
「出来るだけ。ギャンブルを無駄遣いと思われるなら」
 それならというのだ。
「決してです」
「しないで」
「趣味の方にです」
「使うべきですね」
「そうです、お金をどう使うかもです」
 このこともというのだ。
「人生において重要であり」
「悪い遊びにはですね」
「使わないことです」
「いい遊びに使うことです」
「左様です、そのことも学ばれて下さい」 
 速水は咲に優しい声で話した。
「宜しいでしょうか」
「そうします、無駄遣いもしないことですね」
「そうです、命でもあるので」
 金はというのだ。
「そうされて下さい」
「そうします」
 咲も約束した、速水とそうした話もしながら人生を学んでいった。それが成長と呼ばれるものであることは彼女もわかっていた、それで成長していっていることを喜びもした。


第百十二話   完


                2023・5・23 
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