星河の覇皇
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第八十四部第四章 続く会談その二十五
「用心は必要よ、もっと言えば日本にいても」
「自分達の国にいてもですね」
「それでもですね」
「他国の目や耳がある」
「そうなのですね」
「そうよ、だから政治の話を食事の場ですることは多くても」
連合の常である、連合では食事をしつつ政治の話をすることはまさに普通にあることだ。そしてこれは商談でもである。
「それでもね」
「その場を選ぶことはですね」
「重要ですね」
「ことを知られない様にする為には」
「絶対にですね」
「そう、今の様にね」
まさにというのだ。
「閉じられた場所で食べて」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「知られない様にする」
「それが重要ですね」
「そうよ、じぶんのことは知られないで」
そしてというのだ。
「逆にね」
「相手のことは知る」
「それが外交でありますね」
「国際社会ですね」
「かく言う我が国も同じよ」
日本にしてもとだ、伊東は今度はトーストを食べつつ述べた、よく焼かれているその上にバターが塗られている。
「結局はね」
「左様ですね」
「この北京星系に目と耳を光らせています」
「そうしていますね」
「まさに」
「そう、あらゆる場所であらゆる国が情報を求めている」
伊東は今度はゆで卵を食べた、半熟で蟻食べると茹でられた白身の中からとろりと黄身が出て来て口の中を楽しませる。
それを食べつつだ、こう言うのだった。
「そうした状況よ」
「それが連合ですね」
「各国同士でそうしていて」
「そして中央政府もそうである」
「連合の中でそうしていますね」
「連合は外には出ないわ」
他国への侵略はしない、そうした国だというのだ。
「それよりもね」
「まさに中ですね」
「中で常にいがみ合っていて」
「そうして争い続けている」
「そうした国ですね」
「そう、エウロパとは敵対しているけれど」
それよりもというのだ。
「それよりも遥かにね」
「連合の中で、ですね」
「争っていますね」
「連合の政治はほぼそれに尽きます」
「後は内政です」
「内政は怠ることはないわ」
開発や開拓だけでなく教育や福祉、治安、貿易や財政、経済等を含めたそうしたことはというのだ。
「一切ね」
「それを常に行ってそのうえで」
「それぞれの国力を高める」
「そのことは常に行われていますね」
「それも絶え間なく」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
「外に向ける分はね」
「全て中ですね」
「中央政府と各国の対立」
「そして各国同士の対立」
「そうしたものに力を注いでいますね」
「そして争い続け」
そうしてとだ、伊東はさらに話した。
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