八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七百九話 大きな家畜達その三
「連合ではな」
「イスラムでもですね」
「内臓までな」
「食べますね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「楽しんでいて栄養にもな」
「生きものの内臓は栄養の塊ですし」
「食べている」
「連合ではイスラム教徒でも」
「アッラーに謝罪してな。サハラでは違うが」
「あちらはイスラムの戒律をですね」
「昔ながらに順守しているからな」
そうした文明だからだというのだ。
「そうしている」
「左様ですね」
「そうだ、しかし馬もな」
大尉は今度はこの生きものも見て言った。
「大きいな」
「我々が乗るには」
上等兵はエウロパの者達の基準から話した。
「どうもです」
「大きいな」
「馬に乗るにもですね」
「体格が必要だ」
大尉は言い切った。
「昔は馬も小さかった」
「そうでしたね」
「モウコノウマなぞはな」
この馬はというと。
「道産子という馬もだが」
「小さいですか」
「ポニーの様なだ」
そこまでのというのだ。
「大きさだ」
「そこまで小さいですか」
「かつての人類だとな」
「そうした大きさでもですね」
「充分だった」
乗れたというのだ。
「何しろローマ人も平均が一六〇位でだ」
「小さかったですね」
「オクタヴィアヌスは小柄だったというが」
ローマ帝国初代皇帝であった彼はというのだ。
「一五八位だったという」
「では当時は」
「然程な」
「小柄ではなかったですね」
「そうだった」
むしろカエサルが大き過ぎた、彼は一八五あったという。当時のローマ人から見れば頭一つ大きかったのだ。
「彼はな」
「そうでしたか」
「確かに今だとな」
オクタヴィアヌスはというのだ。
「成人男性としてはな」
「極めて小柄ですね」
「子供とだ」
成人男性どころかというのだ。
「変わらない」
「そこまで小さいですね」
「そうだ、だが当時はな」
「普通であり」
「そうした体格の者が乗るとなるとな」
「馬も小さかったですね」
「だから連合の話だが」
こう前置きして上等兵に話した。
「関羽だが」
「三国時代の将軍ですね」
「劉備に仕えたな」
「義兄弟でもあったという」
「三国志演義という小説では重要人物の一人でだ」
この作品ではというのだ。
「道教では神にさえなっている」
「確かかなり位の高い」
「神の中でもな」
「そうした将軍ですね」
「その関羽は今の連合の中でも大柄な」
「そこまでの人物でしたか」
「当時の中国も一六〇程で普通だったという」
その為一六四程であったという曹操は実は小柄ではなかった様だ、よく小柄であると言われているがだ。
ページ上へ戻る