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海底で微睡む

作者:久遠-kuon-
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狭間-3

 少しずつ、遠くのほうの空がピンク色に染まり出している。
 そろそろ、夜が明けてしまう。星々が、強い光にかき消されて、また姿を隠してしまう。

 …そこで、風景が変わった。

 海に浮かぶ鳥居。
 茜色の空と、灯籠の柔らかい光の組み合わせがとても綺麗だ。

「……あ。ここ、知ってる」

 あの星空に続いて、この景色も覚えがある。
 『ハクネには、綺麗なものをたくさん見て、覚えて、素晴らしいものをたくさん知っている大人に育ってもらいたい』って。お母さんとお父さんが張り切っていた覚えがある。
 車で行って。少し遠かったから、移動に疲れてぐずる幼い私を『ごめんね、あとちょっとだからね』とあやしてくれたお母さんを思い出す。

「お母さん……寂しいよ」 
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