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仮面ライダーAP

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陰謀編 穢れた正義と堕ちた英雄 最終話

 
前書き

 たなか えーじ先生に有償依頼で描いて頂いた、ヘレンと真凛のツーショットになります! 2人ともえちえちのむちむちで大変素晴らしい……! たなか先生、誠にありがとうございました!(*≧∀≦*)
 

 

 扇情的なバスタオル姿のまま、謎の男との通話を始めた真凛。そこで彼女の視線はようやく、ギルエード山地での爆発事件を報じるニュース映像に向けられる。緊張に震えているミルヴァを気遣い、その隣に寄り添っている頼もしい後輩(ヘレン・アーヴィング)の背中が、彼女の目に留まっていた。

『ニュースを見たぞ。随分と派手に暴れたようだが……仮面ライダー共にやらせたのではないだろうな?』
「それが嫌だから、直接この私に情報を流したのでしょう? 新世代ライダー達でも、ジャスティアライダー達でも、ノバシェード対策室でもなく……この私に」
『……』
「心配しなくても、そんな無粋な真似はしないわ。……その様子だと、よほど彼らに借りを作りたくないようね。今となっては祖国の危機より自分の面子……ということかしら? 番場(ばんば)総監直轄の新世代ライダー達や、公安機関の対策室だけならともかく、アウトローなジャスティアライダー達まで毛嫌いするなんて。やってることの割には、意外と潔癖なのね?」
『……口を慎め、スチュワート。改造人間は非情なる殺戮兵器だ。決して存在すら許してはならぬ悪魔の産物だ。そのような連中にすら情けを掛けている連中に、救国の名誉などくれてはやらん。それだけのことだ』
「ふふっ、相変わらずの差別主義ね。あなたのそういうところ、最高に反吐が出るわ。祖国がこんなことになっているというのに、『軍事顧問』だからと言って『例の組織』から離れようともしない。かつての英雄も、随分と堕ちたものね。あなたの部下達も、草葉の陰で泣いてるわよ」

 通話先から響いて来る、低く威圧的な男性の声。その威厳溢れる声色に対しても全く物怖じすることなく、真凛は挑発的な微笑を浮かべていた。湯上がりの裸身から滲み出る甘く濃厚なフェロモンが、外観以上の色香を齎している。
 ギルエード山地にノバシェードのアジトが隠されているという情報は、通話先の男が真凛個人に流していたものだったのだ。彼女はこの男から得た情報を利用し、アジトを壊滅させていたのである。

『改造人間の悍ましさを知らぬ貴様如きに我が信念は理解出来まい。ファルツ中佐の無念も、バレンストロート大尉の怒りも、ロスマン中尉の苦しみも……イェンセン少尉の痛みも。貴様のような浅ましい女には、到底分からぬことだろう。この「任務」が終われば、貴様を我が「組織」に招致するつもりでいたが……どうやら、貴様にその資格は無かったようだな』
「任務? 笑わせないで。あなたは頼んでもいない情報を勝手に寄越して来ただけ。そして私はそれを勝手に利用した、それだけのことでしょう? 何も頼まれた覚えは無いわ。押し付けがましい男はモテないわよ」
『……やはりどうあっても、我々と組むつもりはないのだな。貴様の諜報能力は我が「組織」も高く評価していたのだが……残念だ。今は改造人間共の殲滅に専念せねばならぬ故、貴様如きに構っている暇はないが……全てが終わった後は「覚悟」しておけ』
「あら、何を覚悟しろと言うのかしら?」

 真凛が肉厚たっぷりの太腿を組み直した弾みで、超弩級の乳房がばるんっと躍動する。あとほんの僅かで、バスタオルから極上の果実が零れ落ちてしまいそうだ。その谷間の深淵からは、男達を狂わせる芳醇な香りが溢れ出ている。ピンと伸びた優美な爪先や足裏からも、濃厚な雌のフェロモンが漂っていた。

『せいぜいこれからは、背中(・・)に気を付けることだな。我々の存在を知った貴様を見逃すつもりはない。後悔しながら犯され、嬲られ、躾けられ、雌奴隷として一生を終えるがいい。貴様の熟れた身体は良い「商品」になるからな』
「……そう、それは楽しみね。期待しているわ、大佐(・・)

 その皮肉めいた不穏なやり取りを最後に、男との通話は終わる。スマホに視線を落としていた真凛はやがて、乳房と桃尻をぶるんっと弾ませながら立ち上がり――ガラス窓の前に足を運ぶ。オーファンズヘブンの夜景を映し出しているそこからの絶景に、彼女は蠱惑的な微笑を浮かべていた。

 いずれ貴様の尊厳も貞操も穢し尽くし、徹底的に破壊し尽くす。そんな残酷な宣告を受けたところだというのに、彼女は微塵も動揺している気配がない。その手の脅しなど、とうに慣れ切っているのだろう。
 数多の男が生唾を飲み、手に入れようと目論んだ彼女の肉体はまだ、誰の物にもなっていない。それはこの先も変わらないのだという絶対的な自信が、その不敵な笑みから滲み出ている。

「……んっ」

 やがて踵を返した彼女は胸元に手を伸ばし、するりと足元にバスタオルを落として行く。特大の爆乳がどたぷんっと放り出され、むっちりとした安産型の爆尻が完全に露わになる。彼女を欲する男達が何度も夢見て来た、一糸纏わぬ極上の裸身が今、この部屋に曝け出されていた。

 白く透き通る柔肌から、雄の本能を誘う濃厚なフェロモンが滲み出る。無防備に曝け出された彼女の豊穣な裸身は、「雄の欲望」をテーマにした芸術品のようですらあった。くびれた腰を左右にくねらせ、豊満な爆乳と爆尻をたゆんたゆんと弾ませながら、彼女は極上の裸身を露わにしたまま歩き出して行く。

 そのまま彼女は足を止めることなく、リビングに置いていたアタッシュケースに手を伸ばし――その中から、極薄のパンティを取り出していた。Tバック状のその下着に白い両脚を通した彼女は、ゆっくりとその紐を引き上げて行く。
 安産型の白い爆尻。その熟れた尻肉が紐に持ち上げられ、むにゅりと形を変える。下から掬い上げられるように盛り上がっていた白い尻肉は、くびれた腰部分にまで紐が引き上げられた瞬間、重力に引かれてどたぷんっと上下に弾んでいた。

「ぁんっ……」

 下腹部と桃尻にみっちりと食い込み、素肌に密着して行く感覚。そのフィット感に思わず甘い吐息を漏らした真凛は恍惚の表情を浮かべ、腰紐から指を離していた。
 あまりに深く食い込んでいるそのパンティは、丸出しにされたままの尻肉に隠されており、下着としての役割を果たしているのかさえ疑わしい。だが、これが真凛にとっての「勝負下着」なのである。

「はぁ、あんっ……」

 次に取り出されたKカップサイズのブラジャーも、同様だった。116cmという特大の乳肉すらとっぷりと収める、オーダーメイドの黒い生地。その裏地から乳房に伝わるフィット感にも、真凛は至福の息を漏らしている。重力感溢れる釣鐘型の白い生乳。その特大の果実を掌で持ち上げ、カップに収まるように整える際にも、彼女は淫らな吐息を吐き出していた。

「……ふぅっ」

 尻肉に深く食い込むTバックの感触と、乳房を包むブラジャーのフィット感に、蠱惑的な笑みを浮かべる真凛は――この街を離れ、次なる「戦い」に臨むべく。トレードマークとも言うべき青いチャイナドレスへと、白くしなやかな手を伸ばしていた。どうやら、身体も服も「整備」は万端のようだ。

(……本当、良い趣味ね)

 このチャイナドレスは、旧シェードに娼婦として売り飛ばされた際に着せられたもの。彼女自身にとっては、屈辱と恥辱の象徴でもあった。だが、戒めとして纏い続けているこの衣装こそが、彼女にとっての「戦闘装束」なのだ。
 忌々しげに眉を顰めながらも真凛は敢えて、このドレスに袖を通して行く。16歳の頃から着続けているこの衣装はサイズが全く合っておらず、真凛の豊穣なボディラインがくっきりと浮き出るほど張り詰めていた。深く入ったスリットからは、Tバックの腰紐が覗いている。

 そんな扇情的過ぎる格好のまま、むわりと匂い立つ白い素足をハイヒールに収めた彼女は、アタッシュケースを手にこの部屋を後にして行く。くびれた腰を左右に振り、乳房と巨尻をぶるんぶるんと揺さぶって歩く彼女の姿は、廊下ですれ違う男達の粘ついた視線を一身に集めていた。
 その全てを意に介することなく、彼女は威風堂々とした佇まいで歩みを進めている。熟れた雌のフェロモンが、その全身からむわりと漂っていた。極上の身体を周囲に見せ付けるように歩む彼女は、挑発的な笑みを浮かべている。

「……生憎、乱暴でガサツな男は好みじゃないのよ。捕まえられるものなら、捕まえてみなさい。ジークフリート・マルコシアン」

 凛々しく気高い彼女の双眸は、迷いの無い色で真っ直ぐに前だけを見つめていた。
 この国の象徴たる「救国の英雄」が敵に回ろうとも、決して自分を止めることは出来ない。そんな自信に満ち溢れた彼女の眼は、元特務捜査官としての輝きを宿していた。

 例えこの先、彼女の正義がどれほど血で穢れようとも。その歩みに、躊躇いは無いのだろう――。

 ◆

 ――同時刻、日本のとある廃工場。薄暗い闇に包まれたその屋内には、数十人の男女が集まっていた。年齢、性別、体格、服装、人種。何もかもがバラバラであり、外見から彼らの共通項を見付けるのは非常に難しい。
 だが、ただ一つ明確に似通っている部分がある。眼だ。暗澹とした憎しみの炎。負の感情が凝縮され、熟成された殺意の業火。その灯火を宿した双眸が、彼らが共有している唯一の要素となっていた。

「……女狐め」

 そんな彼らを背に、真凛・S・スチュワートと通話していた大男――ジークフリート・マルコシアン大佐は、先ほどまで通話に使っていたスマホを木っ端微塵に握り潰していた。髭を蓄えた精悍な貌は、静かな殺意に満ち溢れている。45年の人生に裏打ちされた熟年の闘志が、その眼に宿されていた。
 灰色の野戦服を纏う筋骨逞しい肉体。猛獣を想起させる暗い茶髪に、右眼を覆う黒い眼帯。かつては北欧某国における「正義」の象徴(シンボル)として名を馳せ、歴史にその名を刻んだ伝説の英傑は、闇に堕ちた左眼で天井を仰いでいた。

 改造人間に深い憎しみを抱き、その殲滅を目指して活動している過激派組織。彼らはその中枢メンバーであり、ジークフリートはこの組織における「軍事顧問」を務めているのだ。組織を率いるリーダーである青年は、スマホを破壊したジークフリートの様子から全てを察したのか、彼の背後から静かに声を掛ける。

「……真凛・S・スチュワートをこちらに引き込むことは出来なかったようですね。元特務捜査官である彼女の能力は、我々も評価していたのですが……残念です」
「あの女には元より、大した期待などしておらん。……それに元捜査官と言えども、今の奴は対策室から追放された一匹狼に過ぎん。仮に敵に回ったところで、我々を止めることなど出来はしない」

 リーダーの言葉に不遜に鼻を鳴らし、背を向けたまま言葉を紡ぐジークフリート。威厳に満ちたその背中は、歴戦の元軍人に相応しい鬼気迫る覇気を宿していた。そんな彼の背を一瞥したリーダーは踵を返し、背を向け合いながら再び口を開く。

「彼女も言っていたようですが……ギルエード山地の件、あなたが動いても良かったのですよ」
()の国は……彼の国の政府は私を捨てたのだ、もはや未練などありはしない。……スチュワートに情報を流したのは、私なりの最後の手向け(・・・)だ」
「……なるほど。祖国は捨てても、部下達の無念は忘れない。国ではなく、人の為に起つ。あなたはそういう男でしたね」
「国というのは、土地を指すのではない。そこに根付く文明、文化、人、心。その全てが揃うことで、初めて国という概念が生まれる。私にとっての祖国はもう、あの地ではない。私の祖国はもう、私の心にしか無い」

 リーダーと視線を交わすことなく、ジークフリートは独り拳を握り締める。国を追放され、居場所を失い、それでも祖国と亡き部下達を忘れることなく戦い続けて来た孤高の武人。そんなジークフリートの背中を、リーダーの青年は肩越しに見つめていた。

 約11年前の2009年。旧シェードとの戦いで多くの部下を失い、自身も右眼を奪われたジークフリートは、改造人間に対する差別意識を剥き出しにした危険人物と化していた。そんな彼を御することが出来なかった某国政府は、「救国の英雄」であるはずの彼を追放するしかなかった。それがどれほどの過ちであろうと、他に選択肢など無かったのである。
 だが故郷を追われてもなお、ジークフリートの胸中に宿る憎悪の炎が絶えることはなかった。むしろ祖国を追放されて孤独になったことにより、彼の差別意識はより苛烈に先鋭化されてしまったのである。民衆に迫害され続け、孤立を深めていた改造被験者達の自助組織が過激思想に染まり、やがてノバシェードと化してしまったように。

「だからこそ私は己の心に従い、この組織こそが第2の祖国であると定めたのだ。……さぁ、訓練を始めるぞ。聖戦の日は近いのだからな……!」
「……あぁ」

 もはや、その歩みが止まることはないのだろう。そう遠くない未来、「仮面ライダー」によって討たれるその時まで。彼は躊躇うことなく、復讐鬼に堕ちた同志達と共に、破滅の道へと向かい続けていた――。
 
 

 
後書き


 この陰謀編はヘレンの活躍の裏側で暗躍していた、真凛視点でのおまけ回となりました。おまけのおまけ……みたいなマトリョーシカ状態で恐縮ですが、このお話も最後まで見届けて頂きありがとうございます!(о´∀`о)
 真凛とジークフリートの関係性については、バイオ4のエイダとウェスカー(もしくはクラウザー)みたいな感じで、互いに利用し合いながらほどほどの距離感でのお付き合いを……というイメージだったのですが、いざ実際に書いてみたらめちゃくちゃ露骨にバチバチしてる感じになっちゃいました。プロット通りには行かないものですなぁ……(ノД`)


Ps
 真凛が泊まっていたホテルのビルは、今話から約1年後に起きる「オーファンズヘブン事件」で街が壊滅した際、解放戦線のメンバー達がアジト兼難民キャンプとして利用していた建物でもあります。戦馬が花輪を置いてたのは、このホテルのロビー前辺りだったのでしょう(´ω`) 
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