八条学園騒動記
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第七百五話 巨人の様にその三
「そうなっているが」
「それでもですね」
「実はだ」
「長身でもあったのですね」
「そして体格もな」
背が高いだけでなくというのだ。
「立派だったという」
「そうだったのですね」
「当時のローマの美的感覚では美形でなかったそうだが」
「髪の毛ですか」
上等兵はすぐに察して言った。
「そちらのことで」
「それが大きかった」
大尉も否定しなかった。
「やはりカエサルというとな」
「そちらのことがですね」
「言われる」
「やはりそうですか」
「だがそこで色白でな」
カエサルはそうだったという。
「太ってもいたらしい」
「残っている彫刻からはです」
「想像出来ない姿だな」
「とうも」
「だが背丈はありな」
体格もよくというのだ。
「注目される外見だった」
「そのことは確かですね」
「そうだった」
まさにというのだ。
「背が高いとな」
「それだけで、ですね」
「注目される」
「だからこそですね」
「連合の者達はな」
「目立ちますね」
「こうした連中が四兆もいる」
数の話もした。
「そのこともな」
「嫌になりますね」
「大男大女がだ」
その彼等がというのだ。
「四兆だ」
「そして常に動いている」
「このことはな」
大尉は顔を顰めさせて話した。
「昼も夜もでだ」
「連合は巨人達が動き続け」
「そしてだ」
「発展し続けていますね」
「怠惰と停滞は罪だ」
「何よりも」
「勤労、勤勉と発展がだ」
こういったものがというのだ。
「最高のだ」
「美徳ですね」
「そうした考えでだ」
「連合は動いていますね」
「だから学校でもな」
「誰もが動いていますね」
「それこそ寝ていない限りな」
ここでもだ、大尉はこう言った。
「そうだ」
「まさに蟻や蜂ですね」
「大きな、な」
「そうなのですね」
「物事を考えるにあたってもな」
「止まって考えないですね」
「動きながらだ」
それは止めずにというのだ。
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