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八条学園騒動記

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第七百五話 巨人の様にその二

「日々努力しているからな」
「優秀だというのですね」
「そう言っている」
「そうなのですね」
「休まずな」
「余裕もなく」
「勤労勤勉は確かに美徳だ」
 大尉はこのこと自体はよしとした。
「努力なく才能だけではな」
「限界が知れていますね」
「モーツァルトやゴッホは天才だったが」
 それぞれの分野での才能があったというのだ。
「間違いなくな、しかしだ」
「才能だけでなかったですね」
「モーツァルトは常に作曲をしていてだ」
 そうしてというのだ。
「ゴッホは描き続けた」
「つまりですね」
「努力をだ」
「続けていましたね」
「そうだった、努力なくしてだ」
「何にもなれないですね」
「才能だけで勝ったりするなぞだ」
 それこそというのだ。
「創作でもそうした作品を生み出すならな」
「創作者のレベルがですね」
「知れている」
 こう言い捨てた。
「まさにな、だがな」
「努力していてもですね」
「勤労勤勉でもな」
「余裕は必要ですね」
「そうだ」
 こう言うのだった。
「連合はそれがないからな」
「駄目ですね」
「幾ら働いて学んでもな、そしてな」 
 大尉はさらに話した。
「この背丈はな」
「連合の者達の」
「嫌でも目につく」
 こう言うのだった、それも忌々し気に。
「まだ十代の子供でもだ」
「かなりの大きさですね」
「巨人の様なな」
「まさにですね」
「そこまで大きく」
 そしてというのだ。
「まさにバイキングだ」
「そこまで大きいですね」
「今バイキングがいればな」
 その彼等がというのだ。
「連合の者達程のだ」
「大きさになりますね」
「間違いなくな」
「そうなりますね」
「カエサルならな」 
 先程話した英雄ならというと。
「二メートルはだ」
「ありますか」
「そこまで大きかっただろう」 
 カエサルが一八五センチだったことから話している、ローマ人の平均が一六〇程なら相当な大きさだったことは紛れもない事実だ。
「長身であったことはあまり言われてないがな」
「あの英雄は」
「借金だの女好きだのな」
「資質や業績以外の話になると」
「それに髪の毛のことがな」
「言われていますね」
「この時代でもな」
 それで連合では禿の女たらしとよく言われているのだ。 
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