| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百四話 休まず動く国その七

「そうしたものでな」
「それで、ですね」
「最早な」
「ケーキというものに対して」
「冒涜だ、しかも食べるとな」
「味自体はですね」
「いい、素材を無視しているが」
 それでもというのだ。
「他の連合の料理と同じくな」
「味自体はいいですね」
「そうだ、しかしな」
 それでもというのだ。
「やはり品性はな」
「ないですね」
「ティーセットにしてもな」
「量はやけに多く」
「そしてそうした味であり優雅に食べることもだ」
 余裕を以てというのだ。
「ない」
「驚くまで早く食べて」
「そしてだ」
「また動きますね」
「優雅にお茶を楽しむのがだ」
 ティーセットを食べつつというのだ。
「ティータイムの醍醐味だが」
「連合にはないですね」
「全くな」
 これがというのだ。
「ない」
「連合ではその味だけをですね」
「楽しみ腹を満たしだ」
 そうしてというのだ。
「喉を潤す」
「それだけのものですね」
「余裕を楽しむということがだ」
「兎角連合にはないですね」
「何でも立ち止まるとな」
 そうすると、というのだ。
「進歩も発展も止まりだ」
「停滞ですか」
「それに陥るとのことだ」
「連合では停滞は悪です」 
 上等兵は言い切った。
「これ以上はないまでにです」
「否定すべきものだな」
「その様にです」
「連合では思われているな」
「そして言われています」
 まさにというのだ。
「こちらでは」
「若し停滞するとな」
「社会や技術、経済が」
「そして文明がな」
「人口も増えないと」
「また植民地にされる」 
 エウロパにというのだ。
「そうなるとだ」
「言われているので」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「連合では停滞はだ」
「悪ですね」
「絶対のな」
「最も忌むべきものの一つですね」
「だから立ち止まらずな」
 そうしてというのだ。
「常にだ」
「発展を目指していますね」
「連合全体でな」
「どの国も」
「発展こそが正義」
「絶対のな」
 連合ではというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧