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八条学園騒動記

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第七百四話 休まず動く国その六

「ないからな」
「幾ら甘いといっても」
「マウリアの味覚はな」
「連合とはまた違いますね」
「あそこは理解が出来ない」
 大尉はどうにもという顔で述べた。
「私にはな」
「私もです、まるで異世界です」
「あの国はな」
「どうもです」
 それこそというのだ。
「あらゆることがです」
「異世界の様でな」
「そしてです」
「菓子類までな」
「ケーキもです」
 エウロパで最もポピュラーな菓子の一つであるこれもというのだ。
「非常にです」
「甘くな」
「その甘さにです」
「辟易したな」
「そこまででした」
 まさにというのだ。
「あの甘さは」
「私もそう思った、中々な」
「馴染めなかったですね」
「そのマウリアの菓子よりはな」
 連合の菓子はというのだ。
「甘さが控えめだ」
「そうなっていますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「やはり色々な調味料をだ」
「入れていますね」
「素材を活かすということがだ」
 菓子についてもというのだ。
「ない」
「それが連合ですね」
「ケーキにしてもな」
 大尉はまたこの菓子の名前を出した。
「そうだ」
「ケーキは重要ですね」
「やはり菓子というとな」
「ケーキが最初ですね」
「最初にきてな」
 そしてというのだ。
「基本というとな」
「基本ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからそのケーキの味がだ」
「重要ですね」
「アメリカのケーキなぞだ」
「色からして違いますね」
「着色料で色を付けただ」
「実にカラフルなものですね」
「赤や青のな」
 ただしこうした色の素材もこの時代では普通にある、コバルトブルーの苺と白い生クリームのケー0キもである。
「そうしたケもな」
「連合では普通ですね」
「普通にありだ」
 そしてというのだ。
「誰もがだ」
「連合では普通に食べますね」
「あれはケーキへの冒涜だ」
 大尉は眉を顰めさせて述べた。
「最早な」
「ケーキという食べものに対して」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「素材なぞ無視してな」
「おかしな色まで加えた」
「味は言うまでもなくな」
 それはというのだ。 
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