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八条学園騒動記

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第七百四話 休まず動く国その八

「常に立ち止まらないでだ」
「動いていき」
「そうしてだ」
「発展し続ける」
「そうすることがな」
「連合の正義ですね」
「絶対のな、連合でよく言われるな」
 大尉は話した。
「深海魚の中には自分より大きな生きものを平らげられるものもいる」
「そのことは有名ですね」
「一飲みにしてな」
「他の生きものではないことですね」
「個体でなくてもな」
「何匹も平らげて」
「そうしたことが出来る」
 ただし腹に入れた生きものが中で暴れその腹を破られると終わりだ、自分より大きなものを食べられてもリクスが存在するのだ。
「まさにな、だが獲物が自分より何倍も大きいとな」
「呑み込めないですね」
「鯨は飲み込めない」
 大尉はまた言った。
「深海魚にはな」
「連合ではよく言いますね」
「深海魚はマッコウクジラの相手にもならない」
「飲み込むなぞですね」
「出来るどころかだ」
 それこそというのだ。
「泳いでその中で弾き飛ばしてもな」
「気付きもしないですね」
「マッコウクジラは深海に潜ることもあるがな」
 そこでダイオウイカという獲物を待って迎え撃つのだ、そこから海面まで上がりそこで食らうのである。
「しかしその際だ」
「そうした深海魚が傍にいても」
「それでもだ」
「気付くことなくですね」
「通り過ぎる」
 そうなるというのだ。
「まさにだ」
「そうしたものですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「巨大なものはな」
「呑み込めない」
「それでだ」
「連合は常に巨大であろうとしていますね」
「どの国も併呑出来ない様な」
「征服出来ない」
「勝つことすらだ」
 戦争にというのだ。
「無理なまでのな」
「巨大な存在にですね」
「なろうと考えていてな」
「常に動いていますね」
「夜に働く者も多い」
「夜勤ですね」
「実にな」
 エウロパにも夜に働く者はいるが連合は遥かに多いのだ。
「まるで眠らないだ」
「そうした国ですね」
「常に誰かが働いていてな」
「そして動いていて」
「発展をな」
 これをというのだ。
「絶対のものとだ」
「正義であると」
「考えている」
 まさにというのだ。
「それで子供でもな」
「今我々が見ている様に」
「常にだ」
 まさにというのだ。 
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