八条学園騒動記
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第七百四話 休まず動く国その五
「どれだけの大きさでもな」
「いつもあくせくと動いて」
「品がない」
「そうした虫ですね」
「同じ虫だとしても我々は蝶や蜻蛉だ」
「悠然としていますね」
「気品がありな、蜻蛉は気品よりもだ」
これよりもというのだ。
「格好良さがあるな」
「そうですね、あの虫は」
「悠然と空を飛びだ」
そしてというのだ。
「停まる時もな」
「余裕がありますね」
「そこが蟻と違う、我々はな」
「その蝶や蜻蛉ですね」
「そうだ、四兆全員が蟻とはな」
「全く違いますね」
「それが蜂でもな」
蟻ではなくというのだ。
「やはりな」
「あくせくしていて」
「落ち着きがない、そうした者達とはだ」
「全く違います」
「いつも動くものではない」
決してというのだ。
「悠然とだ」
「休む時は休む」
「この様にな、では我々はな」
「コーヒーや紅茶をですね」
「落ち着いて飲むぞ」
「わかりました」
上等兵も頷いてだった。
二人でそれぞれの飲みものを落ち着いて飲んだ、大尉は一杯飲み終えてからそのうえで上等兵に話した。
「では行くか」
「はい、学園の中をですね」
「再び見て回るぞ」
「それでは」
上等兵も応えた。
「その様に」
「それで三時になればな」
「ティータイムですね」
「またコーヒーなりを飲みな」
大尉はコーヒー派なのでそちらだった。
「そしてだ」
「セットもですね」
「楽しもう」
「わかりました」
「連合ではセットもな」
ティーセットもというのだ。
「やけに量が多いがな」
「連合の常ですね」
「そうだ、兎角だ」
「連合は食べる量が多いですね」
「そして味もな」
こちらの話もした。
「実にだ」
「濃く甘さもです」
「マウリアの菓子程ではないが」
「あの甘さはまた別格でしたね」
マウリアの菓子についてはだ、上等兵は苦笑いで述べた。
「恐ろしい甘さでした」
「噂には聞いていたが」
「それでもだったな」
「恐ろしいまでにだ」
それこそというのだ。
「甘くな」
「驚きました」
「しかしな」
「あそこまでの甘さはですね」
「流石にだ」
連合のスイーツにはというのだ。
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