ドリトル先生と桜島
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第四幕その十一
「鵜呑みにはね」
「したら駄目だね」
「ネッシーの首だけ出てる写真だってね」
「見たら波の大きさと比べてバランス悪いし」
「恐竜が首を出してるとしたら」
「そうだしね」
皆はネッシーの代表的な写真を思い出しました。
「そう思うとね」
「本当にちゃんと検証しないとね」
「それも学問だよね」
「そのうちの一環だね」
「だからね」
まさにそうであるからというのです。
「ちゃんとね」
「調べて」
「それで事実を確かめる」
「それが学問で」
「ちゃんとしていかないとね」
「そうだよ、ちなみに西郷さんが大柄だったことは事実で」
このことはというのです。
「写真でもわかったし一七八あったそうだよ」
「先生よりは小さいけれど」
「当時の日本人としては大きいね」
「そうだよね」
「当時の日本人って平均身長一五五位だったっていうから」
「大人の男の人で」
「勝海舟さんは一四九位だったそうだよ」
幕末幕府で頑張ったこの人はというのです。
「今の人達から見るとね」
「中学生位かな」
「大人の女の人でもかなり小柄だよ」
「それ位だとね」
「徳川慶喜さんはもっと小さかったそうだしね」
最後の将軍だったこの人はというのです。
「その中で西郷さんの一七八センチはね」
「大きいよね」
「滅茶苦茶目立つね」
「他の人より頭一つ大きいから」
「それだけね」
「大久保さんも一七七だったというから」
この人のお話もしました。
「お二人はそこからも目立ったね」
「今だと二メートル位?」
「そんな感じかしら」
「江戸時代の人達からしたら」
「西郷さん達の大きさは」
「そうだったかもね、坂本龍馬さんなんか一八〇位だったそうだから」
海援隊のこの人のお話もするのでした。
「相当目立ったね」
「あの人髪の毛も縮れていてね」
「しかも靴履いてて」
「色々仕草も目立ったそうだし」
「西郷さん達以上だったかな」
「龍馬さんは物凄く目立ったらしいよ」
実際そうだったというのです。
「傍目でもね、しかも用心をしない人だったから」
「暗殺されたんだね」
「最期は」
「残念なことに」
「坂本さんの敵だった新選組の人に注意された位だったよ」
それだけ不用心だったというのです。
「伊東甲子太郎さんにね」
「ああ、新選組の参謀で」
「後で衛士隊の隊長となった」
「あの人にだね」
「当時も衛士隊の隊長さんだったけれどね」
既にというのです。
「自分も新選組だがってね」
「そう断わってだったんだ」
「坂本さんに注意したんだ」
「気をつけろって」
「そうだったんだ、それだけ龍馬さんは不用心だったんだ」
この人はというのです。
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