八条学園騒動記
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第七百三話 桜だけでなくその十一
「シェスタもな」
「いいですね」
「立場があるなら」
「優雅かつですね」
「余裕がある様にな」
「仕事も行うことですね」
「そうだ、ローマ貴族を見るのだ」
エウロパ貴族が手本にしている彼等はというのだ、尚ローマでは不倫は認められていたがエウロパではそこは違う。
「宴の時は寝そべりな」
「下にクッションを敷いて」
「優雅にそうしてだ」
「飲んで食べていましたね」
「そうした余裕がな」
「人の上に立つならですね」
「必要だ、上の者に余裕がないとだ」
「下の者は不安になります」
上等兵は上に立つ者として述べた。
「その時は」
「そうだな」
「はい、ですから」
「連合の様なだ」
「上の者が不眠不休で働くなぞ」
「食事もそうしただ」
「なおざりなら」
中曽根康弘の様にというのだ、連合では一国の宰相でありながら何と質素かと称賛されていることである。
「不安になります」
「上の者がそれだけ貧しくだ」
「余裕がないと思うので」
「だからな」
それでとだ、大尉も述べた。
「連合の食生活はな」
「そうしたことも含めて」
「よくはない」
「余裕がないですね」
「ただ栄養がありだ」
「量があり味がいい」
「それだけだ、下らない食事だ」
こう言ってだった。
大尉は親子丼を食べ終えた、そして上等兵もうどんを食べ終えた。
それで共に席を立ったが。
「自分達で食器を下げて去るが」
「連合では誰でも」
「このこともな」
「連合らしいですね」
「教師もそうしている」
見ればスーツ姿で眼鏡をかけた中年の女が目の前でそうしている。
「生徒や食堂の者が下げるなぞな」
「傍に来て」
「それがないのもだ」
「連合ですね」
「立場ある者にそうさせる」
「しかも生徒達と同じ食堂で」
「そうしたこと全てな」
まさにと言うのだった。
「実にだ」
「身分を否定して逆に秩序を無視する」
「衆愚の社会だ」
「そうであることがわかりますね」
「どうしても好きになれないな」
「全くです」
こうした話をしてだった。
二人はそれぞれ自分達で食べたものを下げて洗い場の前に持って行った、そうして食堂から去ったが。
それで終わりではなかった、まだ二人で学園内を歩くのだった。
桜だけでなく 完
2023・2・9
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