八条学園騒動記
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第七百二話 薩摩の言葉でその十一
「相当にな」
「食べていますね」
「あれだけ食べるとな」
そうすると、というのだ。
「やはりな」
「大きくなりますね」
「そうだ、先程奇食といったが」
大尉はあらためて話した。
「まさに何でもな」
「連合では食べますね」
「四本足ならな」
それならというと。
「机や椅子以外だ」
「食べますね」
「二本足だと人以外だ」
「そして野菜や果物も」
「毒がないならな」
「何でも食べますね」
「水にあるものは船以外だ」
魚介類はというのだ。
「毒があってもな」
「河豚にしても」
「毒がある部分を取り除いてな」
「食べていますね」
「空を飛ぶならな」
こちらはというと。
「航空機以外はだ」
「食べますね」
「蛸を食べるのはな」
大尉は顔を顰めさせて述べた。
「あれはないな」
「私の国でもです」
上等兵も顔を顰めさせて言った。
「蛸、それに烏賊もです」
「食べないな」
「連合ではよく食べますが」
「特に日本ではな」
「蛸を食べますね」
「たこ焼きにしてもな」
こちらの料理にしてもというのだ。
「食べているな」
「そうですね」
「それを見るとな」
「奇食ですね」
「そうとしかだ」
「思えないですね」
「しかも蛸だけでなくだ」
大尉はさらに言った。
「烏賊もだ」
「あれも食べますね」
「そうしているしな」
「連合全土で」
「あれもない」
烏賊を食べることもというのだ。
「論外だ」
「そちらでは口にしませんか」
「全くな」
とてもというのだ。
「口にしない、そしてそれは」
「同じです」
上等兵も答えた。
「こちらも」
「そうだな」
自分達の国のことは出さない様にして話した、誰に聞かれているかわからないので言葉を駆使して隠しているのだ。
「そのことは」
「はい、やはりです」
「食べない」
「こちらでは」
「中々な」
「海に強い国なら別ですが」
上等兵は暗にイタリアやスペインの話をした。
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