八条学園騒動記
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第七百二話 薩摩の言葉でその十二
「そうであっても」
「中々な、海のものでもそうで」
「それで、ですね」
「アザラシも口にするからな」
「連合では」
「鯨もな」
こちらもというのだ。
「イルカもだ」
「あれにはです」
「驚くな」
「全く以て」
「かつては日本だけしかだ」
「口にしなかったそうですね」
「それがだ」
この時代ではというのだ。
「どの国でもだ」
「食べる様になっています」
「こちらも食べることにはな」
「食べますが」
やはり言葉を駆使して隠す、エウロパでも北欧諸国では鯨を食べることを。
「しかしです」
「あくまで限られている」
「そうですね」
「鯨のカレーなぞな」
「ないです」
「想像すらだ」
最早というのだ。
「ない、シーフードカレーでもな」
「鯨も海の幸なので」
「それに入るがそのシーフードカレーにはだ」
大尉はこのカレーの話自体をした。
「烏賊がだ」
「普通に入っています」
「海老や魚にな」
「あと貝に」
「それも入る」
「蛸の場合もありますね」
「あの不気味な姿を思うと」
蛸や烏賊のというのだ。
「とてもだ」
「食べようと思いませんね」
「見ているだけでだ」
まさにそれだけでというのだ。
「実にだ」
「気味が悪いですね」
「悪魔の生きものだ」
大尉はこうまで言った。
「実際に言われているな」
「デビルフィッシュと」
上等兵は烏賊の英語名を出した。
「そうですね」
「悪魔なぞだ」
それこそというのだ。
「誰がだ」
「食べたいのか」
「そうだが」
「こちらではです」
「至ってだ」
まさにというのだ。
「普通にだ」
「口にしますね」
「たこ焼きやいか焼きにしてもな」
「左様ですね」
「そのいか焼きもな」
大尉はこの料理の話をさらにした。
「二つあるな」
「生地に入れるものと」
「丸焼きにしたものがな」
「二つありますね」
「どちらも屋台で売っている」
そうした食べものであることも話した。
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