八条学園騒動記
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第七百二話 薩摩の言葉でその七
「自分は何もせずにな」
「他の者にやらせる」
「そうした行いをするな」
「連合から見ると不心得者ですね」
「そうした者もいるが」
それでもというのだ。
「おおむねな」
「生徒だけでなくですね」
「教師も掃除をしてな」
そしてというのだ。
「経営者、管理職もだ」
「行いますね」
「それがな」
まさにというのだ。
「連合ということだ」
「我々には理解出来ないですね」
「全くだ、掃除も仕事でだ」
そして庭の手入れ等もだ。
「貴族は報酬を支払ってな」
「働いてもらいますね」
「ただ報酬を支払うだけではない」
貴族はというのだ。
「金のな」
「食事を提供しますね」
「飲みものまでな、しかもだ」
「質のいいものを」
「報酬も弾み」
気前よくというのだ。
「チップもだ」
「出しますね」
「吝嗇は悪徳だ」
大尉は強い声で言い切った。
「エウロパ貴族にとってはな」
「そのうちの一つですね」
「七つの大罪があるが」
キリスト教の教えである、その一つ一つにそれぞれ悪魔が割り当てられてそのうえで教え考えられている。
「それに加えてもだ」
「いいですね」
「それ位のだ」
「貴族の方にとっては悪徳ですね」
「その彼等の仕事を奪うなぞ」
「しませんね」
「掃除は立派な仕事だ」
大尉はこうも言った。
「だからな」
「それで、ですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「私もな」
「そこはですね」
「しっかりとな」
「お考えですね」
「だから学園の中を学園の者が無償でだ」
「清掃等をすることは」
「考えられない」
その整った中庭を見つつ話した。
「とてもな」
「連合の文化ということですね」
「そうなる、学園の行いもな」
「文化になりますね」
「そうなるからな」
その様に考えられるからだというのだ。
「私もこう言った」
「そうですか」
「しかし。素人の筈だが」
花壇それに木々を見てだ、大尉は思った。
「随分とな」
「奇麗なものですね」
「プロが行うとより奇麗だが」
「奇麗にしようという気持ちがですね」
「はっきりとな」
それがというのだ。
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