八条学園騒動記
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第七百二話 薩摩の言葉でその八
「出てな」
「見栄えがいいですね」
「そうだな。心があるとな」
「技術的には未熟でも」
プロ即ち庭師には遥かに及ばなくともというのだ。
「それでもな」
「奇麗にする」
「その心はな」
「よく出ています」
「それが見事だ、生きもの達もな」
飼育小屋にいる兎達も見て話した。
「よく餌をやられ」
「毛並みがいいですね」
「そして程よく運動もしていてな」
このこともあってというのだ。
「健康的だ」
「適度に太っています」
「いい感じだ」
こう言うのだった。
「鶏達にしてもな」
「そうですね」
「連合は学園で生きものを飼う」
大尉はこのことも話した。
「それぞれのクラスでもな」
「そうするのですね」
「それもまた教育だ」
「飼育もまた」
「そう考えているのがな」
それがというのだ。
「連合のだ」
「考えですか」
「教育に対するな、飼育からな」
それからというのだ。
「生きものの育て方や愛情をな」
「教わるのですね」
「それに飼育には責任が存在する」
「責任感もですな」
「教わるというな」
「そうなのですね」
「これもだ」
まさにというのだ。
「連合の教育だ」
「飼育からそうしたことを学ぶことも」
「誰もがな」
「その誰もがというのが」
上等兵は眉を曇らせて述べた。
「まさにです」
「連合だな」
「階級がないので」
「まさに子供ならな」
「誰でもですね」
「同じ教育を受けてな」
そうしてとだ、大尉は話した。
「平等でだ」
「誰もが責任感を持つ」
「そうなる、ただな」
「不心得者はですね」
「出る、世の中不心得者はな」
どうしてもというのだ。
「出るものだ、中には生きていても意味がない」
「その域まで堕ちた屑もいますね」
「そうだ、そして屑にはな」
「連合は厳しい社会ですね」
「屑が犯罪を犯せば」
その時はというと。
「微塵も容赦なくだ」
「残虐な処刑に処しますね」
「公開でな」
それでというのだ。
「そうする」
「そうした国ですね」
「まさにな、そうしたこともな」
「教育で、ですね」
「教わってな」
そうしてというのだ。
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