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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所

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第十章

「全く歯が立たないようだな」
「うう・・・・・・」
「所詮貴様はその程度だ。さっさと死ね」
「そう簡単にやられてたまるか」
 上條は起き上がりながらそう言ってきた。
「俺だってライダーだ。だから」
 上では橘が派手にピーコックアンデッドと死闘を演じている。空を飛びながらの戦いであった。
「橘、空を飛べるようになったのか」
「そうだ、貴様の力でな」
 彼はこう言葉を返す。
「倒せる。それを見せてやる」
「面白い。ならば見せてみろ」
 ピーコックアンデッドは彼にエネルギー弾を放つ。だがそれは銃撃で弾き返される。
「こんなものではな!」
「ほう、腕をあげたな」
「俺はあの時の俺ではない!今それを御前に見せてやる!」
 激しい空中戦が展開される。そして剣崎はウルフアンデッドと、相川はエレファントアンデッドとそれぞれ死闘を演じていた。彼等もまた一進一退の戦いを演じていた。
「アンデッドになったとしても!」
 ウルフアンデッドは剣崎に激しい攻撃を浴びせながら言う。
「力は上がってはいないようだな!」
「力か」
 剣崎はその言葉に目を向けさせた。
「御前の言う力は俺には興味はない。俺の力は!」
「アブソーブクイーン、フュージョンジャック」
 一旦攻撃を浴びせて後ろへ跳び間合いを開けた。そこからカードをラウズさせてジャックフォームになったのであった。
 翼が生える。その姿で飛び上がる。
「皆を守る為、運命に勝つ為にあるものだ!」
「面白い、人間だった御前に何ができる!」
 ウルフアンデッドは空に舞う剣崎を見上げて叫ぶ。
「空を飛んでいるにしろ!」
 二人の空と陸の戦いもはじまった。相川もまたエレファントアンデッドと対峙している。
「今度は最初から戦うのだな」
「その通りだ」
 エレファントアンデッドはカリスとなっている相川に対して答える。
「統制者の意志でな」
「その統制者には逆らえないというのか」
「ふふふ、それが統制者の意志だからだ」
 笑いながら相川に返す。
「俺達が何故カードに封印されていながらその意識は引き継いでいると思う?」
「どういうことだ?」
「それは既にモノリスに意識が残っていたからだ。いざという時の為にな」
「ルール違反があった時にか」
「そうだ、今のようにな」
 エレファントアンデッドは言う。カリスに対して今どうして自分達がここにいるのかを話していた。
「俺達のもう一つの意識を出して制裁を与えているのだ。わかるか」
「制裁か」
「そうだ。ジョーカー、そして人間に」
 彼はさらに語る。
「制裁、それは滅ぼすということだ」
「人間を!?」
 その言葉を聞いた相川の声が変わった。それはジョーカーでは有り得ない反応であった。そう、ジョーカーが人を滅ぼすと聞いて驚くというのは有り得ないことだからだ。
「どうした!?何故驚く」
「い、いや」
「御前も人間になってきているということか。そうだな」
「くっ・・・・・・」
「よし、今だ!」
 エレファントアンデッドはここで腕を前に突き出してきた。
「今この御前の力、解放させてもらうぞ!」
 エレファントアンデッドは叫ぶと同時に青いエネルギーの雷を放ってきた。それはカリスの胸を撃った。
「うおおおおおおおおっ!」
「御前のジョーカーとしての身体と意識を分ける!」
「何っ!?」
「そのジョーカーの力で人を滅ぼすのだ!」
 異変が起こった。相川の身体からジョーカーが分かれた。それは有り得ないことであった。
 
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