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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所

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第九章

「それで御前は」
「ああ」
 剣崎は彼に対して応える。その顔は無理をして表情を消していた。
「御前とは戦わない。運命と戦う」
「それは私のことなのか?」
 統制者は今度は彼に問うてきた。
「その運命というのは」
「御前が運命というのなら」
 剣崎はその声に顔を向けてきた。
「俺は御前と戦う!そして勝ってみせる!」
 腰にベルトが現われた。右手をゆっくりと前に出してきた。その手は緩やかに開かれている。その手を前に出して叫ぶ。
「変身!」
 叫ぶと同時に右手を奥にやり左手を前に出す。すると剣崎の身体が緑色に輝き剣の姿になるのであった。
 カブトの紋章は現われない。そのことが彼がジョーカーになってしまったことの何よりの証であった。相川と同じく。
「まさかアンデッドまで出しているとはな」
「安心し給え、彼等は死ぬ」
 統制者は彼にも説明する。
「君とは違ってな」
「そうか・・・・・・なら!」
 剣を抜きカードを剣にやってから構える。
「この剣で!」
「剣崎、気をつけろ!」
 相川が彼の側にやって来て叫ぶ。
「そいつ等だけじゃない!おそらく」
「そうだ、俺もだ」
 ピーコックアンデッドが姿を現わしてきた。
「貴様も出て来たのか!」
「久し振りだな、橘」
「貴様も出て来るとはな」
 橘は彼を見据えながら言う。
「ならば容赦はしない」
「橘さん、あいつだけじゃないです」
「何!?」
 見れば他のアンデッド達も姿を現わしてきていた。ダークローチ達もだ。その数は尋常なものではなかった。
「ダークローチ達は俺達に任せろ」
 乾が前に出て来て言う。
「いいな」
「いいのか、それで」
「ああ、その為の俺達だ」
 そう橘に述べる。彼に草加と三原も続く。
「見せ場をくれてやるさ」
 草加はそう述べる。
「とにかくあんた達はそのアンデッドを頼む」
「わかった」
 橘は三原に答えた。
「よし、ならば」
 インサート=リーダーにクイーンのカードを挿入しジャックをラウズさせる。それでジャックフォームに変身して来た。
「アブソーブクイーン、フュージョンジャック」
「行くぞ!」
 その姿でピーコックアンデッドに向かう。上條はカプリコーンアンデッドの前にいた。
 乾達は遮二無二ダークローチ達を倒していく。だが三人ではどうも捌ききれないものがあった。そこへ助っ人が現われてきた。
「オーガのベルトはいいのかよ」
「うん、今はいい」
 木場達がそこへやって来ていた。
「これ位ならね」
「そうだな。何か乾達もいるしな」
「三人共いますね」
「彼等で捌ききれないのを相手にすればいいから」
 木場は海堂と長田にそう述べながら先へ進む。他の二人もそれに続く。
「じゃあ行こう」
「よっしゃあ」
「行きます」
 三人はオルフェノクの姿になる。それから突進してダークローチ達に向かう。六人になったことでダークローチ達は剣崎達から離れた。乾達の狙い通りになった。
 上條はカプリコーンアンデッドの前にいた。その力に一度は吹き飛ばされる。
「うわっ!」
「ふふふ、どうしたレンゲル」
 カプリコーアンデッドは背中から地面に叩きつけられた彼を見下ろして笑っていた。
 
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