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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所

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第十一章

「何っ、始」
「まさか、ジョーカーが」
「馬鹿な、じゃあ俺は」
 相川は自分のもう一つの姿を見て呆然としていた。
「一体何なんだ」
「さてな。ではカリスよ」 
 エレファントアンデッドは今度は彼をカリスと呼んだ。ジョーカーとは呼ばずにだ。
「御前のカリスとしてだけの力を試させてもらうぞ」
 彼とエレファントアンデッドの戦いもはじまった。ジョーカーは何時の間にか姿を消していた。しかし戦いは続くのだった。
 数十撃ち合った後でカリスは右足でソバットを放った。だがそれは受けられてしまった。
「くっ!」
「甘いな」  
 そのままカリスを放り投げる。しかし彼は空中でカードをラウズさせた。
 四番のドラゴンフライのカードだ。それに宙に浮く。
 その浮遊で空中で姿勢を元に戻す。そこから三枚のカードをコンボさせる。四と五と六だ。
「これで終わらせる!」
「スピニングダンス」
 空中でさらに飛ぶ。竜巻になり急降下を仕掛ける。
「うおおおおおおおおっ!」
 スピニングダンスだ。それがエレファントアンデッドを蹴り抜く。アンデッドはそのまま炎と化して爆発して消えた。
 上條も決着をつけようとしていた。襲い掛かるカプリコーンアンデッドの顎を蹴り上げた。
「ぐわっ!」
「俺だってライダーなんだ!」
 彼は言う。
「そう簡単にやられてたまるか!」
「ブリザードクラッシュ」
 起き上がりクローバーの五と六をシャッフルさせる。それから高く飛んだ。
「これでっ!決めてやる!」
 急降下しながら冷気を吹きつける。それで凍らせ思い切り両足で挟み砕いた。
 粉々になったカプリコーンアンデッドも散った。上條も何とか敵を倒したのだった。
 これで残るは二体だった。先に決着をつけたのは橘であった。
 一旦ピーコックアンデッドの攻撃を撃ち返しその間にカードをコンボさせる。彼が選んだのは二と四と六だった。
「砕け散れ!」
「ジェイ=バーニングショット」
 さらに高く飛びそこから炎の強化弾を連射する。その速さ、威力はピーコックアンデッドといえどかわせるもの、耐えられるものではなかった。忽ちのうちに無数の弾丸を受け四散して果てたのであった。
 最後は剣崎であった。彼は空中からウルフアンデッドと戦っていたがそれでもウルフアンデッドは手強かった。それを見てカードをコンボさせてきたのだ。
「これのカードで!」
「ジェイ=ライトニングスラッシュ」
 六と二だった。そのカードを入れて急降下を仕掛ける。その手には剣がある。
「これで決める!ジェイ=ライトニングスラッシュ!」
「うわああああああっ!」
 雷を帯びた剣撃を受けてウルフアンデッドは吹き飛ばされる。そして剣崎の遥か前で爆発を起こし果てたのだった。
 アンデッド達は消えた。しかしまだジョーカーが残っていた。
「剣崎」
「ああ」
 相川は剣崎に声をかける。剣崎もそれに応える。
 四人のライダーはそれぞれジョーカーを取り囲んだ。しかし彼は攻撃を仕掛けようとはしない。
「今は安心するのだ」
「どういうことだ」
 橘が彼に問う。
「安心しろだと!?」
「ここで御前達と戦うつもりはないのだからな」
「馬鹿な、じゃあ何故御前は分裂したのだ」
「ははは、それは私の為なのだ」
 上條がジョーカーに問うたところで統制者が答えてきた。
「何っ、御前の為だと」
「そうだ」
 彼は答える。
「私の為だ。これでケルベロス、ティターン、そしてジョーカーが手に入った」
 彼の声は笑っていた。そこには何か得体の知れない邪なものがこもっていた。
 
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