| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百話 工作員の表の仕事その七

「その通りです」
「そうしてくれるか」
「この命に賭けて、そう考えるのがです」
「公民だな」
「衆愚とは違います」
 エウロパの考えで以て答えた。
「私もまた」
「そうした考えだとだな」
「連合の考えの階級がなく」
 そうしてというのだ。
「誰もが平等で」
「あらゆるものを学んでだな」
「楽しめばいいという考えは」
「間違っていると思うな」
「間違っているだけでなく」
 それに加えてというのだ。
「この上なく愚かとです」
「思うか」
「その様に」
 まさにというのだ。
「私もまた」
「そうだな、だからな」
 それでというのだ。
「エウロパではな」
「連合の文化はですね」
「その全てがだ」
「卑しいものとですね」
「わかっているのだ」
 理解しているのではなかった。
「その正体がな」
「左様ですね」
「卑しく愚かでな」
「何の気品もない」
「そうした文化なぞだ」
 大尉は軽蔑を込めて述べた、これ以上はないまでのそれで。
「エウロパの者達はだ」
「進んでは学びませんね」
「だから創作でもな」
「演じるにあたっては」
「そして創るにしてもな」
 そうした際にもというのだ。
「悪としてだ」
「そうしますね」
「その悪もな」
 悪と言っても種類がある、そしてこの場合の悪はというと。
「卑しく蔑むべき」
「そうした悪ですね」
「連合自体だ、学んでもな」
「それを実感するばかりですね」
「貴族と平民の関係はだ」
 階級それはというのだ。
「秩序としてだ」
「社会を形成しています」
「貴族は平民を護り育てる」
「そうした方々ですね」
「言うなら永遠の親だ」
 平民から見た貴族はというのだ。
「そうしたものでな」
「親は親ですね」
「それは絶対ものでな」
 そうした存在でというのだ。
「乱そうと思ってもだ」
「乱せません」
「そうだ」
 まさにと言うのだった。
「本来はな」
「人の世は」
「しかしな」
「連合はその摂理を無視して」
「あろうことか冒涜してな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「階級がない社会こそ最高であると」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧