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八条学園騒動記

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第七百話 工作員の表の仕事その六

「そしてです」
「不思議な忍術を使ってか」
「恐ろしい敵でした」
「そうだったか」
「ですが最後は勝ちました」 
 そうなったというのだ。
「最後は」
「そうだったか」
「はい」 
 こう大尉に話した。
「有り難いことに」
「主役だからな」
「勝ちました、しかし敵として」
「出るな、常に」
「連合ではヒーローですね」
「敵になる時もあるが」
 それでもというのだ。
「恰好いいな」
「そうですね」
「だがエウロパではな」
「忍者も敵ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そして忍術を学ぶなぞだ」
「してはならないですね」
「それをしてはだ」
 全くというのだ。
「逮捕されることもだ」
「有り得ますね」
「犯罪となる」 
 エウロパではだ。
「迂闊に連合の文化を学べば」
「ですね、本当に」
「敵だからな」
 そうなる理由はここにあった。
「その文化はな」
「迂闊に学べませんね」
「そもそも卑しいとだ」
 連合の文化はというのだ。
「思われているしな」
「衆愚のですね」
「アメリカや中国の文化もそうでだ」
「日本文化もですね」
「それが公家、貴族の文化でもな」
 和歌や舞楽もというのだ。
「歴史は長いが」
「それでもですね」
「所詮は衆愚のな」
「文化ですね」
「最初は貴族文化でもな」
 それでもというのだ。
「今はだ」
「衆愚に染まった」
「そうした文化だ」
「だからですね」
「日本のそういった文化もな」
「衆愚の文化です」 
 上等兵も言った。
「私は平民ですが」
「平民から見てもか」
「平民は公民です」 
 その立場であるというのだ。
「れっきとした」
「しかと学び社会を知っているだな」
「エウロパという国に己を捧げる」
 そうした立場のというのだ。
「真っ当なです」
「民だな」
「貴族の方々に護って頂き」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「エウロパに奉仕するな」
「その国家に、またお仕えするです」
「領主の方々にだな」
「そして主に。今の私の主は」
「私か」
「はい」
 大尉に微笑んで答えた、そうして仕える者文字通りの従者として大尉に応え畏まった姿勢で言うのだった。 
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