八条学園騒動記
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第七百話 工作員の表の仕事その五
「何があってもな」
「エウロパではしませんね」
「若し剣道なぞ学びたいと言えば」
その時はというのだ。
「即刻な」
「怒られますね」
「そうなる、子供が言ってもそうでな」
「大人ならですね」
「逮捕されることもな」
そうなることもというのだ。
「有り得る」
「そうですね、日本の武道なぞ」
「しない、だから創作の世界でもな」
そちらでもというのだ。
「侍も柔道家も力士もな」
「そして忍者も、そういえば」
上等兵は大尉に話した。
「007ですが」
「ジェームス=ボンドだな」
「我が国のスーパースターですが」
文字通りにというのだ、二十世紀にイワン=フレミングが紹介したこの人物はこの時代でも活躍しているのだ。
「先日忍者とです」
「戦っていたな、最新作では」
「その前は中国の拳法家で」
その者と戦ってというのだ。
「またその前は西部のガンマンでした」
「彼等と戦ったか」
「映画の中で、当然服はです」
衣装はというと。
「現代のもので」
「昔とは違うな」
「忍者もスーツでした」
有名な忍装束でなくというのだ。
「それを着ていましたが」
「忍術は使ったか」
「手裏剣を使い忍者刀を用い」
そうしてというのだ。
「変装もして隠れることもです」
「していたか」
「日本政府に仕え」
「日本だからな、忍者は」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「日本政府の諜報機関に所属し」
「そうしてか」
「007とです」
「戦ったか」
「煙玉を使い」
この道具もというのだ。
「そして木の葉隠れもです」
「行ったか」
「水に入れば」
その時はというと。
「水遁の術で」
「あの中が空いている棒をシュノーケルにしてだな」
「隠れ水蜘蛛も用いて」
「水の上を歩いてか」
「壁に布を出して隠れ」
壁と同じ色のそれをというのだ。
「空も飛びました」
「布を使ってだな」
「それを両手両足に持って括り付け」
その様にしてというのだ。
「ムササビの術だそうですが」
「その術を使ってか」
「空も飛び」
そうもしてというのだ。
「007を苦しめました」
「そうだったか」
「あまりにも強くかつ残虐で」
エウロパでは連合の者は傲慢でかつそうだとされているのだ。
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