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第七十八話 ホテルのカレーその一

                第七十八話  ホテルのカレー
 プールサイドのアルバイトの時も当然ながら昼食は出た、一華達五人は店長に笑ってこう言われた。
「賄いということでね」
「用意してくれてるんですか」
「ええ、プールサイドからすぐにね」 
 今自分達のいる、とだ。今は上はシャツで下はデニムの膝までの半ズボン姿で頭にはサンバイザーを被った店長がかな恵に話した。
「レストランに行けるから」
「そこで、ですね」
「お昼は食べてね」
「わかりました」
「ここのレストランは朝はビュッフェで」
 それでというのだ。
「その残りをね」
「食べられるんですね」
「ええ、サラダにソーセージにハムに」
 店長はさらに話した。
「卵料理にフルーツもね」
「色々あるんですね」
「乳製品も充実しているから」 
 だからだというのだ。
「お昼に朝ご飯のメニューでよかったら」
「食べられますか」
「好きなだけね、置いておいても捨てることになるし勿体ないでしょ」
 店長は冷静な顔で話した。
「そうでしょ」
「そうですよね」
 かな恵もそれはと頷いた。
「やっぱり」
「食べものは大事にしないとね」
「本当に駄目ですよね」
「世の中北朝鮮みたいにおかしなことした結果以外でね」
 この国は失政そして今も続く愚行の結果であるというのだ。
「食べられない人も多いから」
「そうした人達のことを考えたら」
「どうしてもね」
「食べものは粗末に出来ないですね」
「八条グループって昔からそうしたことにも厳しいから」
「食べものを粗末にしない」
「ものをね」
 食べものだけでなくというのだ。
「やっぱり捨てるものは出るけれど」
「出来る限りですね」
「ものは大事にするってね」
「そうした考えですね」
「グループ自体がね」
 ホテルだけでなくというのだ。
「それでよ」
「朝のビュッフェも」
「いつも皆よ」
「ホテルの人達で、ですか」
「お昼に食べてるのよ」
「そうですか」
「当直だった人達は朝にね」
 この時にというのだ。
「食べてるし」
「私達もですか」
「食べてね、メニューは日によって変わるし」 
 そうもしてというのだ。
「色々なお料理を楽しめるわよ」
「そうですか」
「ただ。お酒は勤務中の人には出ないから」
 店長はこのことも話した。
「そこはね」
「当然ですよね」
「わかってね」
「はい、そこは」
「結構外国から来た人がね」
 それでホテルで働いている人でとだ、店長は少し苦笑いになって話した。
「欧州のね」
「あっち朝から飲みますからね」
 富美子は自分達と同じ八条学園の生徒達のことから話した。 
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