ハッピークローバー
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第七十七話 海の家から移りその十二
「そうしたものを着て」
「家族の前に出たら」
「寝ぼけた顔でジャージ姿で身体掻いてみせるよりも」
そうした仕草をするよりもというのだ。
「いいかもね」
「ああ、そうした格好って」
店長が今言った格好を脳内で想像してみてだ、一華も頷いた。
「確かに色気ないですね」
「それもノーメイクでぼさぼさの頭でよ」
「それで出たら」
「絶対によ」
「変な感情抱かれないですね」
「これが下着姿だと駄目だけれど」
「起き抜けでも」
「あと上はブラウスで下ズボン穿いてないとかね」
そうしたというのだ。
「服装もね」
「駄目ですね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「色気のない恰好、仕草もね」
「していくことですね」
「それも大事なのよ」
「刺激的な格好で知り合いの前に出ないことと」
「そうよ、くれぐれも家族でもね」
これ以上はないまでに身近にいる相手でもというのだ。
「血がつながっていても」
「刺激しない」
「それで逆にね」
「色気のない姿を見せる」
「それも大事だから」
「それが自分の身を守ることになりますね」
「そういうことよ、それで本命の相手にはね」
店長はその目を燃え上がらせて話した。
「もうとことんね」
「刺激するんですね」
「今の私の恰好で前に出て」
その上はティーシャツ下は黒ビキニの姿でというのだ。
「ぐいぐい近寄ってもね」
「いいんですね」
「そうなのよ」
「相手を選ぶ」
「それよ、贔屓はよくなくても」
それでもというのだ。
「相手によって見せていい姿とね」
「悪い姿があるんですね」
「付き合ったら彼氏をその気にさせる為に」
「刺激的な格好ですね」
「さらに相手の好みもね」
これもというのだ。
「しっかりとね」
「調べるんですね」
「それでその好みに合わせた格好をすれば」
それならというのだ。
「尚更よ」
「いいんですね」
「そうしたことを理解することも」
「大事ですか」
「交際それでそれからの」
「結婚してからもですか」
「よく停滞期に入ったとかで」
交際そして結婚生活の中でというのだ。
「距離があるとかね」
「夜のですか」
「それってそうしたことをしていない場合もよ」
「相手を刺激する服装になったりすることを」
「していない場合もね」
そういった事態もというのだ。
「あるのよ」
「そうなんですね」
「勿論他の事情もあったりするけれどね」
「恰好もですか」
「あったりするから」
それでというのだ。
「服装一つもね」
「馬鹿にならないんですね」
「自分を守ったり」
相手を刺激せずにというのだ。
「仲をよくする」
「そうした場合もあるから」
「お家の中でも外でもね」
「こうした時もですね」
「気をつけてね」
「わかりました」
一華も他の面々も店長の言葉に頷いた、そうしてだった。
五人で店長と共にプールサイドでのアルバイトに入った、休憩時間にはプールで泳ぎもしてそちらも励んだのだった。
第七十七話 完
2023・3・8
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