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神々の塔

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第十七話 十二神将その六

「それがや」
「わかるね」
「今食べてな」
 彼は昔の松茸の汁ものを飲みつつ答えた。
「思ったわ、このお吸いものも」
「今の和食とはちゃうし」
「そうやしな」
「けどこれがやねん」 
 まさにとだ、綾乃は今も酒を飲みながら話した。
「奈良時代の日本やと」
「食べられてたんやな」
「そやねん」
 これがというのだ。
「当時は」
「当時ってあれやな」
 トウェインは松茸も食べつつ話した、松茸だけあって風味が実にいい。
「わい等の時代から千三百年以上な」
「昔やで」
「ほんま大昔やな」
「中国は唐の時代やね」
 羅と施を見つつトウェインに話した。
「大体」
「そやな」
「そしてな」
 それでと言うのだった。
「その頃のご馳走はな」
「こうしたもんか」
「そやねん、ただうちもな」
「綾乃ちゃんも?」
「赤いお米とか黒いお米は知らんかったわ」
「そやったんか」
「こんなお米もあったんやって」 
 その米達を食べつつ話した。
「うちほんま驚いたわ」
「それな。私も知って驚いたわ」 
 リーは鯛を食べつつ真顔で綾乃に返した。
「お米いうたらな」
「白いね」
「そや、玄米はあってもな」
 それでもというのだ。
「ほんま精白ともいうし」
「お米は白いもんやね」
「そう思ってた」
「それがやね」
「日本のお赤飯やなくてな」
 赤い米だからだ、リーはまずはこのご飯の話をした。
「それで黒いいうても玄米は黒いってな」
「玄は黒いってことやし」
「そうやが」
 それがというのだ。
「ほんまにや」
「元から赤かったり黒かったり」
「そうしたお米があるってな」
「思わんかったね」
「ああ、どうもな」
 リーは自分もその米達を食べて話した、食べてみるとこれはこれで美味い。それであらためて言うのだった。
「昔の日本人、起きた世界のな」
「うち等のご先祖様はなんやね」
「白いお米にこだわってな」
 それでというのだ。
「こうしたお米をな」
「なくしていったんやね」
「そうらしいな」
「それでないんやね」
「長い間な」
「そやねんね」
「かなりな」
 リーは今度は首を傾げさせて話した。 
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