ドリトル先生と山椒魚
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第九幕その四
「人を見ると隠れるのよ」
「そうするんだね」
「シャイなのよ」
お静さんは笑ってこうも言いました。
「これがね」
「元々の性格がそうで」
「この兵庫県でもいるけれど」
オオサンショウウオの妖怪がというのです。
「よかったら紹介するわよ」
「そうしてくれるんだ」
「どうかしら」
「じゃあお願い出来るかな」
すぐにです、先生は応えました。
「僕もお会い出来るならね」
「それじゃあここを観終わったら」
「もうなんだ」
「丁度この近くに住んでいてね」
そうしていてというのです。
「私の妖力で飛んで行けばよ」
「すぐになんだ」
「そうよ、どうかしら」
「お言葉に甘えていいかな」
「遠慮は無用よ」
お静さんはにこりと笑って答えました。
「先生がいいなら」
「それならだね」
「私はいいわよ」
「それではお言葉に甘えて」
「ええ、ここの後はね」
「妖怪のオオサンショウウオさんとだね」
「お会いしましょう」
こうお話してでした。
皆は研究所の後はです。
お静さんの妖力でお空を飛んで兵庫県の山奥それこそ人が滅多に行くことのない様なところに行ってです。
そのうえでそこにある川に行きますが。
川の中に向けてです、お静さんは声をかけました。
「半次郎さんいる?」
「その声はお静さんかな」
「そうよ」
川の岸辺である岩場から声をかけます、川の周りはそうなっていて石も沢山あってその周りは森になっています。
「私よ」
「何の用かな」
「あんたに会って欲しい人がいるのよ」
「僕にかい?」
「ドリトル先生よ」
お静さんは川の中に向かって告げました。
「今一緒よ」
「へえ、ドリトル先生が来てくれたんだ」
「私が案内したの」
お静さんはこうも答えました。
「先生とお話してね」
「一度お会いしたいと思っていたけれど」
「じゃあ丁度いいわね」
「そうね、それじゃあね」
「今から出て来てくれるかしら」
「そうさせてもらうよ」
お静さんの言葉に応えてでした。
声の主は川からぬっと出て来ました、それはです。
濃い焦げ茶色の身体で十メートルはあるオオサンショウウオです、お静さんに半次郎さんと呼ばれた彼は川から上半身を出してです。
先生達がいる岩場の前にお顔を出してそうして挨拶をしてきました。
「はじめまして、貴方がドリトル先生だね」
「はじめまして、そうだよ」
先生は半次郎さんに帽子を取って一礼してから答えました。
「僕がドリトルだよ」
「お話は聞いてたよ」
半次郎さんは先生ににこりとして応えました。
「あらゆる生きもののお友達で学問が大好きでね」
「僕のことをそう聞いているんだ」
「それで妖怪ともお友達だって」
「そうよ、姫路城の姫様ともお友達よ」
お静さんは半次郎さんにお話しました。
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