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ドリトル先生と山椒魚

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第九幕その五

「あの方ともね」
「へえ、あの方ともなんだ」
「それでパーティーも催したのよ」
「そんなことがあったんだ」
「あの時あんたずっと寝ていたからね」
「冬眠したままだった時があったね」
「一年位ずっと寝ていたから」
 その時はです。
「パーティーにお誘い出来なかったけれど」
「そんなことがあったんだね」
「姫路城でね」
 お姫様がいるそのお城で、です。
「そうしたことがあったのよ」
「そうだったんだね」
「そのパーティーのプランを立ててくれたのもよ」
「先生なんだ」
「そうよ」
 その通りだというのです。
「先生はあらゆる学問で博士号を持っていてね」
「それだけじゃなくてだね」
「そうしたことも出来るのよ」
「多才な人だね」
「いやいや、とんでもないよ」 
 先生はお静さんと半次郎さんのお話に驚いて言いました。
「僕はおてもね」
「多才じゃないのかな」
「そうだよ、身体を動かすことはからっきしでね」
 それでというのです。
「家事や世事のことは全くだから」
「それでなんだ」
「多才なんてね」
 それこそというのです。
「全くだよ」
「そうなんだ」
「そうだよ、だからそのことは言っておくよ」
「そうなんだね、先生は謙虚だね」
「それに紳士でしょ」
 お静さんは半次郎さんにあらためてお話しました。
「そうでしょ」
「そうだね」 
 半次郎さんもそれはと返します。
「礼儀正しい人だね」
「私ともお友達でね」
「じゃあ僕ともかな」
「あんた人見知りするけれどいい?」
「先生のお話は聞いてたよ」
 半次郎さんはお静さんに答えました。
「昔からね」
「いい人とかしら」
「勿論だよ、噂通りの人だね」
 即ちいい人だというのです。
「その先生にお会い出来るだけでも嬉しいのに」
「それに加えてよ」
「お友達にもなれるんだね」
「そうよ、どうかしら」
「是非お願いするよ」
 半次郎さんはお静さんに答えました。
「それじゃあね」
「ええ、先生もいいかしら」
「お友達が増えるなら嬉しいよ」
 先生は笑顔で答えました。
「僕はね」
「お互いいいのなら」
「それならだね」
「今からお友達よ」
 先生と半次郎さんはというのです。
「そうなったわ」
「そうだね、じゃあね」
「先生これから宜しくね」
 先生と半次郎さんは笑顔でお話してでした。
 そのうえで握手もしました、半次郎さんは大きな前足を出してそうしました。
 その握手の後で、です。先生は半次郎さんに尋ねました。 
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