恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十八話 草薙、オロチを封じるのことその一
第百三十八話 草薙、オロチを封じるのこと
アースクエイクは幻庵、臥龍と共に戦場にいた。その中でだ。
鎖鎌を振り回しだ。仲間達に言うのだった。
「この戦が終わればな」
「そうだケ。元の世界に戻れるケ」
幻庵は楽しそうな声で応える。
「やっとこれでキムとジョンと御別れだケ」
「だよな。本当にやっとだぜ」
アースクエイクの言葉にも感慨がある。
「一体何時終わるかって思ってたけれどな」
「ああ、朝から晩なでな」
臥龍も言う。
「ずっと修業三昧だったからな」
「しかもよ。修業の他にも強制労働もあってな」
「休みなしだったケ」
「そんな刑務所みてえなのが遂にだよ」
「終わるんだケ」
「こんな嬉しいことってないぜ」
三人はこう話して笑顔で戦っていた。そこに希望を見て。
しかし絶望はすぐに来た。よりによってだ。
三人のところにキムとジョンが来てだ。こう言ってきたのだ。
「よし、この戦いが終わればだ!」
「元の世界でも修業ですね」
「えっ!?」
三人同時にだ。驚きの声をあげた。
そしてだ。アースクエイクが恐る恐る二人に尋ねたのだった。
「今何て言ったんだよ」
「そうだケ。わし等はそれぞれ時代が違うケ」
「それで何で修業が続くんだよ」
「うむ、卑弥呼さん達の協力でな」
「私達は時代をまたいで動けることになったのです」
今わかった衝撃の事実だった。
「無論それぞれの時代に干渉することは駄目だが」
「更正を続けることはいいそうです」
「だからだ。私達はこれからもだ」
「ずっと一緒ですよ」
にこやかに地獄を語る。そしてだ。
チャンにチョイ、山崎がだ。三人に言ってきたのだった。
「よお、だからな」
「これからも宜しくでやんすよ」
「仲良くしようぜ、兄弟」
こうだ。それぞれ死んだ目で三人に話してきた。それを受けてだ。
三人は絶望しきった顔でだ。こう言うのだった。
「世の中甘くねえな」
「というか地獄は向こうからやって来るケ」
「本当にな。嫌な話だぜ」
こう言ってだ。絶望を感じていたのだった。しかし何はともあれだ。
キムがだ。こう言ってきたのだった。
「何はともあれだ。今はだ」
「そうです。戦いましょう」
ジョンも彼等に言う。
「そうして生き残りです」
「これからも更正を続けるのだ」
「つまり俺達も遂にか」
「無限地獄に入ったケ」
「何で俺達だけこうなるんだよ」
勝利の先に希望がないことを実感したのだった。そうした面々もいるのだった。
だがそれでも戦いは続きだ。その戦いはだ。
この場でも行われていた。蒼志狼は今刀馬と共にだ。朧と対峙していた。朧は己の周りに刃を数本、一本ではなかった。それを漂わせながら刀馬に言っていた。
「刀馬様とはです」
「戦いたくなかったというのか」
「貴方ならば必ず闇の王になられましたから」
だからだとだ。彼はその無気味な笑みで彼に言うのだった。
「ですから。まことに残念です」
「即ちそれはだ」
闇の王になる、それがどういうことかとだ。刀馬は己の紅の刃を手に言った。
「貴様の傀儡になるということだな」
「はて。そうなるというのですか」
「そうだ。貴様はだ」
そのだ。朧が何者をだ。刀馬は看破してみせた。
「闇、そうだな」
「ふおっふおっふおっ、確かにです」
「貴様は闇の者だな」
「その通りです。私は闇の世界の者です」
「闇に囚われ徳川、そしてこの世に仇を為す者だな」
「ですがそれは刀馬様も同じではないですかな」
「俺もだというのか」
「はい。零を目指されその為にお義父上を殺された」
朧は刀馬の過去を彼自身に言ってみせた。
「そうではないですかな」
「確かにな。俺は父を殺しだ」
このことは彼自身も認めた。過去は否定しなかった。
ページ上へ戻る