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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十八話 草薙、オロチを封じるのことその二

 そしてだ。その刃のことも言うのだった。
「この紅の刃も手に入れた」
「ならばそこから闇に入られ」
「ふん、俺はだ」
「今は違うというのですかな」
「そうだ。今の俺は零を目指してはいない」
「では何を目指されているのですかな」
「無限だ」
 ここでだ。彼は紅の刃を朧に差し向けながらだ。
 そのうえでだ。蒼志狼を横目で見てから述べたのだった。
「今俺は無限を目指しているのだ」
「何故そうなったのでしょうか」
「零は零でしかない。そこにあるものは動きがない」
 その零についてだ。看破したのだった。
「だがだ。無限はだ」
「動きがあると」
「そして多くのものを手に入れられる」
 それを知った、そうした言葉だった。
「そしてそれこそが我が宿願を達せられるものだからだ」
「そしてその宿願とは」
「この男を倒す」
 蒼志狼をまた見た。今度は顔自体を向けて。
 そうしてだ。彼は言うのだった。
「俺のその遥か先に目指す侍の道。それがあるのだ」
「だからこそ零を捨てられたのですか」
「そうだ。そうした」
 こう朧に言うのだった。
「俺は零を捨て無限を選んだのだ」
「それがこの世界で貴方が学ばれたことですか」
「俺羽最早闇にはいない」
「そして零でもない」
「無限だ」
 まさにだ。それだというのだ。
「俺はその無限で。この男と同じものを選びだ」
「その方を倒されますか」
「そして侍の道を目指す、その果てをな」
「果てがあるとは思いませぬが」
「それならそれでいい」
 果てがなくとも。そして辿り着けなくともだというのだ。彼はいいというのだ。
「そしてその前にだ」
「私と戦われるというのですか」
「礼はさせてもらう」
 これが彼が今朧と戦う理由だった。
「俺を利用した礼はな」
「仕方ありませんな。それではです」
「俺を倒すか」
「いえ、もう一度闇の王を目指して頂きます」
 即ちだ。傀儡にするというのだ。
「そうなて頂きますので」
「ふん、ならばその前に斬る」
 やはり刃を手にして返す刀馬だった。
「貴様をな」
「では。今より」
「俺もだ」
 これまで沈黙を守っていた蒼志狼もだった。ようやく口を開いた。
 そしてそのうえでだ。こう朧に言ったのである。
「貴様と戦う」
「お父上の仇の方とですか」
「確かにこいつは親父を殺した」
 彼もまた事実を認めた。その過去をだ。
 そのうえでだ。彼もまた言うのだった。
「だが今はこいつと共に戦う」
「それは何故でしょうか」
「貴様が敵だからな」
 骸がだ。それだからだというのだ。
「俺達の世界もこっちの世界も害するな」
「それは責任感からのお言葉ですか」
「俺も一応幕臣だ」
 これまで表に出さなかったこのことをだ。蒼志狼は言ったのだった。
 
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